… … …(記事全文3,827文字)今、自民党では「総裁選の前倒し」についての、自民党全国会議員と各都道府県連代表者を対象とした意向調査に向けて、様々な駆け引きが展開されています。
全体的な構図は、「石破政権続投」勢力と「総裁選実施」勢力の対立となっているわけですが、今、総裁選を実施すべきだと考えてられている論拠は、おおよそ次の四つに集約されます。
つまり、民主主義を前提とするなら選挙で大敗をした総理は辞任することで責任をとるのが当前であるし、選挙大敗を通して政権担当能力が大きく失われている以上、石破政権が続けば日本の国益が内政、外交ともに激しく毀損していくことは避けがたい、さらには、自民党の分断や衰退を回避するためには石破総裁の交代は必須である、という理由から自由民主党において総裁選前倒しが求められているのです。
一方で、石破「石破政権続投」勢力の論拠は、石破氏本人が「政治空白の回避」や「政権の責任遂行」、「重要課題への対応」を挙げていますが、これらは全て理由としては極めて脆弱です。
これらが政権続投の根拠になるなら、一旦誰かが総理になれば、政権交代は永遠にできない、という恐ろしく理不尽な事になります。如何なる状況でも、政治空白は回避されねばなりませんし政権責任は遂行せねばなりませんし重要課題は存在するからです。トランプとの関税交渉ですら、これまでの交渉経緯を踏まえれば国益毀損を最小化するためにむしろ、総裁交代の重大な論拠となり得るものです。
そう考えると、上記に挙げた四つの理由からして総裁選前倒しは不可避と考えざるを得ません。仮に自民党だけに関わる党の「衰退回避」論や「分断回避」論をさておくとしても、国民の民意を反映すべしという民主主義の原理原則が軽視され無視される事を避けるためにも、政権担当能力不足の政権の延命を回避するためにも、石破総理の辞任は日本の国益にとって必須なのです。
しかし、それにも関わらず石破政権は恐るべき事に民主主義の原則を踏みにじり、国益の毀損を度外視してまでも政権延命のための様々な「工作」をしかけてきています。
そんな中でも特にあからさまな工作が、自民党の各議員および各県連に対する、石破政権の権限を駆使した「圧力」です。
石破政権によって設置された自民党総裁選選挙管理委員会(以下、選管)は、総裁選前倒し(以下、「前倒し」)に賛成する国会議員は、所定の文書に署名捺印の上、9月8日の所定の時間帯(午前10時から午後3時までの5時間)に選管に、国会議員「本人」が直接提出することを求めています。それと同時に、賛成者全員を全て「公表する」ことを決定しています。
国会議員の中には、判断を決めかねている者が今時点でも多数いるわけですが、彼らにとってみれば、これは相当に高いハードルとなります。
それはいわば氏名の「晒し上げ」という「踏み絵」を踏ませることを意味するからです。
したがってそれは必然的に…
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