… … …(記事全文3,391文字)今,国会で俄に重要議題に上ってきているのが,『選択的夫婦別姓』(以下,『別姓』と略記します)の問題.
この問題を簡単に説明しますと…
「今の日本の法律では,結婚する時『一方の氏名を一方の氏名に変える』という事になっているが,そのようにしてもいいし,別々の性のまま(つまり別姓)でいることもよい,というように法律を開けましょう」
という提案の是非を巡る議論です.
これは表面的には「真面目な社会制度」に関する議論の様に見えていますが,その実態は,財務省が「積極財政派」を駆逐して「増税」を仕掛けるための「政争の具」であり,森山氏や岸田氏らが「高市潰し」「安倍派潰し」「保守潰し」を仕掛けるための同じく「政争の具」なのだ,というものなのです(無論それぞれの「意図」を証明することは困難ですが,少なくともそういう政争の具としての「機能」を,『別姓』法案は発揮するものであることは確実なのです).
まず,自民党の中で,『別姓』を巡っては,石破を中心とした「リベラル」な人々は積極的にこれに賛成する一方,高市氏・麻生氏を中心とした「保守」の人々は激しく反対しています.
『別姓』を認めるということは,『家』という歴史的,伝統的,文化的,社会的な存在を抹消する事に繋がるため,保守の立場に立つ人は必然的に別姓論に徹底的に批判します.
そして,自民党を支持する保守層の人々もまた,『別姓』には激しく反発しています.
そんな状況なのですが,この『別姓』論を,自民党の森山氏は急に前に進めると言い出したのです.公明党から申入があった一方で,野党の野田氏率いる立憲民主党がこれを強く主張しているからです.
少数与党の自民党としては,立憲民主党にも予算案を通す時等に協力してもらいたいから,自民党もまた,立憲が言うところの『別姓』に賛成し,立憲の協力を国会で得て,予算案を通そう,という議論が自民党の中にあるのです.
さらには森山は,国会に『別姓』に関する法律を提案した場合,それに反対した自民党議員に(離党勧告をはじめとした)何らかの罰を与える「党議拘束をかける」と言明したのです.
もちろん,現時点ではそれがどういう法案になるのかが未定ではありますが,それが『別姓』を認めるものとして森山等によって国会に提出されれば,それは必ず「高市潰し」「安倍派潰し」「積極財政派潰し」となるのです.
まず,自民党の中は,『別姓』にはそもそも,熱心に賛成の人は必ずしも多数派ではありません.その大半が「中立」の立場の人々です.ただし,その中立の人達は,党の執行部が『別姓』を協力に推進すれば,まぁ,それも構わないかと賛成する可能性があります.
したがって,石破や森山が『別姓』をごり押しすれば,高市氏や麻生氏,旧安倍派の議員達がどれだけ反対しても…
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