… … …(記事全文4,084文字)経済・財政に関する報道のダメっぷりはもちろんのこと,最近では兵庫県知事で話題になったオールドメディア問題.
しかし,「日本の全国ネットのテレビや全国紙のレベルの低さ」を「誰もが納得できるかたちで証明する」ことはなかなか容易ではありません.
例えば「経済・財政報道のダメさ」は,経済理論やマクロ経済データという「専門的内容」と「報道内容」とが「どう違うのか?」で明らかになるものです.ですが,その「専門的内容」を理解することは,どれだけ分かり易く記述しても(経済や財政にさして興味の無い)一般の方々には,必ずしも容易ではありません.
だから「経済・財政報道のダメさ」を理解することは,多くの国民にとって必ずしも容易ではないのです.
また,兵庫県知事で話題になったオールドメディア問題は,「SNS」との対比で指摘されていたものですが,そのSNS情報自体が,誰もが納得できる程に明らかに正しいかどうかと言うと勿論,そうでは有りません.
その結果,オールドメディア情報がSNS情報と異なるからといって,万人が「オールドメディアはやっぱりダメだ」ということに賛同するかといえば必ずしもそうでは有りません.
しかし,今回の「韓国の戒厳令」は,世界を震撼させた「日本でも欧米でもないスーパービッグニュース」でしたのでので,日本と欧米各国が同時に同じテーマを一斉に報道する,という希有な機会となったのであり,したがって,日本のオールドメディアのダメさを「証明」する絶好の機会となっているのです.
そもそももしもそれが日本国内の事案ならその報道が日本と欧米で違っていても,同様に欧米関連の事案なら欧米と日本の報道が違っていても,それは当たり前だということになります.
さらに言うなら,日米欧以外のニュースでもそれがさして大きなニュースでなければ,そのニュースの重要度が各国で異なることから,日本と欧米の報道が違っても不思議なことではありません.
ところが,今回の「韓国の戒厳令」というニュースは,それが民主主義の根幹を揺るがす恐るべき内容であることから,日本や欧米といったあらゆる民主国家にとっての「スーパービッグニュース」.だから,各国の各メディアが総力をあげて報道することとなったのです.
しかも,それが「韓国」であり,日本でも欧米でもない国のニュースですから,それはいわば「第三者」の視点で客観的に報道できる,というものでもありました.
ですから,この韓国戒厳令は,日本のメディアも欧米のメディアも,同じ条件で「精一杯」報道する,希有なケースとなったわけです.
…で,日本のメディアと欧米のメディアが,この韓国戒厳令をどう報じたのかを12月5日の時点で確認すると,両者の間に驚くべき相違があったのです.
詳しくは,
『【ユン大統領は何故クーデターに踏み切ったのか?】 欧米メディアで解説されているが日本のメディアは解説していない当たり前の理由』
https://foomii.com/00178/20241206000154132329
で解説しましたが,煎じ詰めて言うなら,多くの人々が最も関心を抱く情報である「なぜユン大統領は,失敗することはほぼ確実であった無理筋でしかない『クーデター』に踏み切ったのか?」という一点についての重要情報が,日本の大手メディア(NHK,テレビ朝日,毎日新聞,読売新聞)には殆ど全く報じられていない一方で,欧米の大手メディア(New York Times, BBC)ではしっかりと報じられていたのです.
日本の大手メディアには,どの記事を見ても「最小限の情報」と,妻のスキャンダルや大統領の側近の情報等の「断片的情報」が散発的に掲載されているだけ.したがって,それらをどれだけ読み込んでみても,ユン大統領が戒厳令に踏み切った「必然性」が全く見えてきません.
ところが,欧米メディアのNew Youk TimesにしろBBCにしろ,それぞれの単一の報道の中には…
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