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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

【石破茂はニセモノである.ご注意下を】対中国の外交姿勢から明らかになった<石破茂の真実>

【「総裁選の選挙対策」のためだけに政策を語る石破氏】

小泉進次郎の党員党友調査における驚異的(!)な支持率失速を受けて今,高市早苗氏と共に総裁選のトップ2になると目されている石破茂氏.

https://news.ntv.co.jp/category/politics/286539a9b89f48789d256ed6f2b6c978

 

今まで,小泉進次郎氏が余りにも論外でしたので,進次郎についての<真実>の情報をあれこれご紹介して参りましたが,石破茂氏についても,彼の<本質>をご解説さし上げたいと思います.

 

例えば経済については下記記事でご紹介さし上げたように,今回の総裁選では「デフレ脱却」を強調していますが,つい最近に至るまでの彼の長い間の言説を見れば,彼が途轍もない

「緊縮脳」

を持つ人物であることが見えてきます.

https://38news.jp/economy/29528

 

つまり,少し調べてみれば,彼の現下の総裁選での「デフレ脱却」論は,「総裁選の選挙対策」のための完全なるニセモノ・紛い物のリップサービスあることがハッキリと見えてくるのです.

 

 

【総裁選期間中の「領空侵犯」には発言するが,かつての「洋上ブイ」については発言ナシ】

 

そして,自ら防衛大臣もやったという経歴をお持ちの防衛問題において今,何よりも大切な「対中国」問題ですが,これについても今,石破氏は,過日の中国の領空侵犯を受けて,

『武器使用により相手の抵抗を抑える「危害射撃」が可能となるよう法改正を検討すべきだ』

https://www.tokyo-np.co.jp/article/355880

と発言したと報じられています.

 

先日の日本人小学生の中国人による深いセンでの殺害事件を受けて今,世論,とりわけ,現下の総裁選の有権者たる自民党「保守」層ににおいて,中国に対して毅然とした態度を政府に求める声が高まっている中(https://gendai.media/articles/-/137994 参照),こうした石破発言は,自民党員等に肯定的に受け取られているものと思います.

 

しかし,欺されてはいけません.

 

例えば,今回の総裁選がまだ何も決まっていなかった昨年,尖閣諸島近くの日本の排他的経済水域(EEZ)内に、中国が無断で「海上ブイ」を設置している問題について,「中国 ブイ 石破」というキーワードで検索しても,石破氏が中国のブイ問題について何か発言したと伝えるサイトは全くヒットしません.

 

それは,総裁選決定のおおよそ一年前の時点で高市早苗氏が「撤去すべき」「放置できない」「日本が撤去しても違法ではないと思う」等と発言しているサイトが多数検索できるのと全く違います.

https://www.zakzak.co.jp/article/20231104-O43PZUNIKNMEZN6YTPEIOTVE7M/

https://www.youtube.com/watch?v=4AAh84OuJ7A

 

要するに石破氏は,日本のEEZ内で中国が無断で洋上ブイを放置していることについて「政治家」として何ら発信してはいないのであり,それは「政治家」として洋上ブイ問題という「国家の一大事」に関して,中国政府に毅然とした態度を一切取っていなかった事を意味しています.

 

 

【中国の「日本人不当拘束」問題についても,石破氏からメッセ-ジはなし】

 

対中外交問題における重大な問題である中国当局による日本人の不当拘束問題についても,全く同じ構図があります.

 

例えば,「反スパイ法 日本人拘束 高市」で検索すると下記含めた多数のサイトが出てきます.

『中国の『反スパイ法』について特に懸念する点』(高市早苗オフィシャルHP)

https://sanae.gr.jp/column_detail1458.html

 

ですが,同検索を石破氏にかけてもやはり何もありません.

 

日本の国政政治家の最大の重大事とは日本を守るということだとの使命感があれば,本国民の不当拘束についても政治家として徹底的に抗議する政治言論活動を公に展開していたはずですが,そうではなかったのです.

 

要するにここでも石破氏は,不当拘束をした中国政府に対して毅然とした態度を一切取っていなかったのです.

 

【中国は「石破氏は最もやりやすい,是非総理になってもらいたい人材だ」と評価されている】

 

ただし,以上に述べた問題に限らず,石破氏の対中外交姿勢は,例え中国政府が忌避しようが日本国民を「守る」ための外交を行うというものよりはむしろ,例え日本国民の利益が損なわれようとも中国政府が「望む」方向の外交を展開する人物であるということが,これまでにもしばしば指摘されています.

 

例えば中国問題専門家であり,現代ビジネス中国問題のコラムニストである近藤大介氏は石破氏を,「中国が望むやりやすい総理大臣」として「☆4つ」という高評価を与えています.その上で石破氏について「元防衛大臣でタカ派のイメージだが中国はそう見ていない」と述べています.

https://x.com/SF_SatoshiFujii/status/1838115657432654253

 

画像

 

一方で,もう一人の有力総裁候補者である高市早苗氏について,中国にとってのやりさすさ評価は「☆1つ」に過ぎず,中国にとって「最も総理になってほしくない」候補であると,指摘しています.

 

こうした石破氏,高市氏に対する評価は,上述の「洋上ブイ問題」や「不当日本人拘束問題」に対する(総裁選前の時点の)両氏の発言と軌を一にするものです(というより,中国専門家の近藤氏は,石破氏・高市氏の対中問題についての言動を専門家として把握しており,上記の評価を下したと言えるでしょう).

 

【現下の石破氏の「対中発言」は単なる選挙対策のニセモノ発言である】

だとすればなぜ,今回の領空侵犯についてだけ,さも毅然とした態度を取っているかの様に「危害射撃」に向けた法改正をと訴えてはいるのでしょうか?それはもちろん,「領空侵犯という横暴な振る舞いを行った中国に対して憤りを感じ,毅然とした態度で中国に対峙し無ければ」と考えたからではなく,今が総裁選の期間中だからだ,と考える他に合理的な理由は全く見当たりません.

 

そもそも中国の領空侵犯が確認された直後に,石破氏がその件について口にした言葉が…

… … …(記事全文4,396文字)
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