… … …(記事全文2,163文字)昨今世間を騒がせている派閥パーティ券による、自民党の「裏金」問題。
政権の中枢である官房長官の任にあった松野氏が、松野氏自身の政治資金において安倍派のパー券で「裏金」をつくっていた「疑惑」が発覚しました。
この事態を重く見た岸田総理は、松野氏の「官房長官の職」を速攻で「更迭」しました(そして、林芳正氏が代わりの官房長官となることとなりました)。
つまり岸田氏は、まだ事実関係が明確になっていない「疑惑」の段階で、松野氏を更迭したのです。
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もちろん官房長官の人事権を持つのは総理大臣ですから、単なる「疑惑」の段階で更迭するという判断をするということ自体、特に大きな瑕疵があるというわけではありません。
裏金疑惑があるのだから、それだけで官房長官として相応しく無い、だから更迭だ、とやっても、別に構いません。総理大臣だから、好きにすれば良いのです。
ただし、松野氏を更迭する「基準」があるなら、その基準は、公正中立なものでなければなりません。
何と言っても、岸田氏は日本国の命運を決する日本国家の政治の最高責任者なわけですから、「あいつは俺にとって都合がワルからクビにしようでも、コイツをクビにしたら俺が損しちゃうから、クビにするのやめよう」なんていう恣意的で利己的で自分勝手なダブルスタンダードな人事をやるのは、何があっても絶対の絶対にダメだからです。
でも、どうやら岸田氏、そんな絶対の絶対にやっちゃいけない、恣意的で利己的で自分勝手な人事をやろうとしています。
それは、「日本国総理大臣」という日本国家の命運にとって最も重要なポストの人事について、です。
何と言っても、松野氏は裏金疑惑が取り沙汰されただけで更迭(クビ)にしたくせに、自分の派閥で裏金作りの疑惑が発覚したら、いけしゃぁしゃぁと、「(俺は知らんけど)まずは事務局に調査して、修正すべき箇所があるならば適切に対応するようにと支持しましたよ」と宣っているのです!
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/889162?display=1
これは要するに…
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)