… … …(記事全文2,888文字)岸田内閣の崩壊は、もはや自民党内では既定路線、となっているようです。
ここまで支持率が下がればもう、誰も岸田さんを支えようとする勢力が存在しなくなってしまっているからです。
したがって、永田町、自民党では今、「次」の総理が誰になるのかで、話題が持ちきりになっているとのこと。
…が、悲しいかなそんな岸田総理でも、一応、総理大臣は総理大臣。
何も決められない、何も決める必要を感じていない男ですが、総理大臣ですからいろんな仕事が舞い込んできます。
そんな仕事の一つがこれ。
『バイデン氏、岸田首相を国賓待遇で招待 日米首脳会談』
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA146K90U3A111C2000000/
要は、アメリカのバイデン大統領から、「国賓で呼んでやるから、アメリカにこい。首脳会談やろうぜ」と依頼されたとのこと。
岸田氏は、別に何も考えてない男ですが、増税メガネといわれてイラッとくる程度のちっちゃなどうでもいいプライドと、俺は総理だ~、という格好でエエカッコしぃだけはしたいという、これまたちっちゃな自意識だけは持っています。
ホントに人間のクズ中のクズですが、そういう人間にしてみたら「国賓待遇でアメリカ様に呼ばれたぜ~!!!!」というのは、小躍りする嬉しい話しなわけです。
なので、今、岸田氏はウキウキしているところと思いますが…僕はこの報道を目にした時、この岸田のせいでもたらされる日本に対する被害の大きさに暗澹とした気分になってしまいました。
曰く、日経には次のように書かれています。
「両首脳はイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃で緊迫する中東情勢について協議した。ハマスが拠点とするパレスチナ自治区ガザの人道状況の改善に向け足並みを合わせる方針を確認した。」
「両首脳は中国をめぐる諸課題に共同で対応する方針を申し合わせた。」
「ロシアによるウクライナ侵攻に関しても意見をかわし、対ロシア制裁とウクライナ支援の継続で足並みをそろえた。」
要するに、今回、岸田氏をアメリカに呼びつけるにあたってアメリカは、対ロシア、対中国、対パレスチナの「戦い」において、歩調を合わせるということを両者で確認したそうですが、これらの外交の方針を、アメリカが日本に配慮して変更するということは万に一つもありません。
言うまでも無く、対ロシア、対中国、対パレスチナの「戦い」の方針を決めているのはアメリカ一国なのであって、その外交姿勢の歩調を合わせるということは、偏に、日本がアメリカのその方針に従って、従順な犬としてアメリカ様にこうけんしますよ、というだけの話しでしかないのです。
それなら、別に相談する必要も何も無く、アメリカは日本に対して「俺達の事、サポートいしろよな」と言えばいいだけの話しであって、日本はその命令にしたがって、できるだけの事をできるだけやればよいのです。
…が、わざわざアメリカが日本の総理を国賓でアメリカに呼びつけて相談しようというということは、そんな生ぬるい話しでは済まない、ということを意味しています。
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)