… … …(記事全文2,197文字)今朝、メディア各社が、「政府が国債8.8兆円を出す事を決定した」という事を一斉に報道しました。例えば、日本経済新聞は「新規国債8.8兆円増発へ 補正予算案、財源7割を頼る」というタイトルで、次のように報じています。
「(政府は)8兆8750億円の国債を追加で発行する。経済対策の関係経費は13兆1272億円にのぼり、7割近くを国債で賄う。補正の財源を国債に頼る構図が続く…」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0622W0W3A101C2000000/
こうした記事を見た一般の方の印象は次のようなものでしょう。
「政府は8.8兆円もまた、今年も借金するんだ。
僕なんて、借金なんて全然したことないし、そんなのしちゃったら、返済で首が回らなくなって大変になっちゃうってよく分かってるし、だから借金なんか全然しないんだけど、晴雨は8.8兆円も借金しちゃうんだ~!ひぇぇぇぇ…。えらいこっちゃなぁ。
で、政府は僕らのためだって経済対策するけど、結局ソレって税金じゃ無くて、ほとんど借金で賄うってことなんだな?
そんなのして大丈夫かよ、やべぇんじゃねぇか…?」
要するにこの記事は、借金は悪いことで、政府はその悪い事を8.8兆円もやっちゃうんだ、そんなのやっちゃダメじゃん、という印象を与えるものとなっているわけです。
が、その印象は、完全に不当な、間違い、の印象です。
国債を政府が発行するのは…
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)