… … …(記事全文2,376文字)岸田さん、ライドシェアの導入を所信表明演説で宣言するそうです。
ホント、この人、一体何を考えてるのか、さっぱり分からない人ですね…。
そもそもライドシェアなんか入れたら、広義の「タクシ」がさらにマーケット内で増えて、確実にタクシードライバーの収入が減る事になります。
「賃上げするぞ!」なんてこと言ってるくせに、やってることはそれとは正反対。
だいたい、ライドシェア導入の議論がいわれはじめたのは、「ドライバー不足だから」ってことが原因ですが、そんなの殆ど単なる「デマ」。
地方都市なら言うに及ばず、東京や京都など、「ドライバー不足」が激しくいと言われている地域ですら、実際に不足しているのはごく一部の話。
例えば京都だと、京都駅では外国人観光客がおおくてタクシー乗り場は大変に混み合っていますが、地元の人間はタクシーの広い方がわかっていますから、容易くタクシーを捕まえることができる状況にあります。
さらにいうと、多くの人が「ライドシェア」って言う言葉でイメージするのが「ウーバー」っていう会社のシステム。コロナの時にウーバーイーツが有名になりましたが、その元々の出自がこのウーバーというライドシェアなのです。
で、この「ウーバー」、実はすでに日本に導入されているのです!
導入しているのは、一部の日本のタクシー会社。
ちょうどGoアプリだとかSライドだとかのアプリを多くのタクシー会社が導入しているのと同じです。
要はウーバーにしてもGoアプリやSライドにしても、ユーザーにしてみれば、
「スマホで呼んだら、おカネを払えば乗せてもらえるクルマが来る」
というものなのです。
だから、「ライドシェア」ってのが仮に入ったとしても、既にウーバ-やGoアプリが導入されているんだから、ユーザー(利用者)にしてみれば、殆ど何も変わらないのです!
変わることがあるとすれば、それは、
「政府が許可しているドライバーやクルマの枠を広げるか否か」
というだけの話し。
つまり、今回岸田さんが「やるのダ~!」って気合い入れて言ってるのは、「ウーバーを入れるんだ!」って話しじゃなくて、「ドライバーやクルマの規制を緩和して、もっと素人に近いドライバーやクルマを使えるようにするのダ~!」って言ってるだけなのです。
ホント…
藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~
藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)