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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

骨太決定「ホンマもんの話」:財務省はPB規律を死守、しかし「積極財政派」の勢いは今、過去最高に到達。国民が財務省に勝利するまであと一歩。

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00178/2022061222033995623 //////////////////////////////////////////////////////////////// 藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~ https://foomii.com/00178 //////////////////////////////////////////////////////////////// この度「骨太の方針」が閣議決定されましたが、その議論の過程で「2025年度PB黒字化目標」(以下、PB規律)を残すのか、それとも凍結するのかを巡り、政府・与党において激しい論戦がありました。 いわゆる、自民党内の「緊縮財政派」は、PB規律堅持を主張。一方で、自民党内の「積極財政派」は、PB規律凍結を主張。両者の主張は真っ向から対立しました。 緊縮財政派の拠点は、岸田総裁がつくった総裁直轄の「財政健全化推進本部」(麻生最高顧問・額賀本部長)、一方、積極財政派の拠点は高市政調会長の下に作られた「財政政策検討本部」(安倍最高顧問・西田本部長)。 両者の勢力は拮抗し、甲乙付けがたい状況でしたが、参議院選挙を前に、自民党内が割れることを回避し、麻生氏と安倍氏とで事前に協議し、両者ともが「負けていない」という格好で骨太方針が纏めるようにしよう、ということが、閣議決定前の段階で合意されました。 ついては積極財政派は、その両者の合意事項に基づき、「PB規律は凍結すべき」という主張を最終的に引っ込め、 「PB規律が必要な政策選択肢を歪めることがあってはならない」 「PB規律については、今後十分に検討すべき」 という二点を主張するに留めたのです。 そして、緊縮財政派(これは事実上、財務省、という事になります)も、その点に合意していた筈なのですが……骨太の閣議決定にあたって、その合意を「反故」にするために激しい工作を仕掛けてきたのです!(これは約束を反故にしようという話しなのですから、誠に「汚いやり口」と言わざるを得ません)。 すなわち、財務省は、 「骨太方針2021に基づき経済・財政一体改革を着実に推進する」 という文言を記載することを通して、事実上、PB規律の堅持を骨太に「明記」したにも拘わらず、積極財政派が主張していた 「PB規律が必要な政策選択肢を歪めることがあってはならない」 という文言を「削除」した骨太案を、与党自民党に提示したのです。
… … …(記事全文4,153文字)
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