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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

超高級財務官僚による泥酔暴行事件の「真相」 ~財務官僚達の出世欲に基づくおぞましき「暗躍」と、それと戦う積極財政派の闘争~

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00178/2022052216452494810 //////////////////////////////////////////////////////////////// 藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~ https://foomii.com/00178 //////////////////////////////////////////////////////////////// 5月19日の真夜中過ぎ、財務省総括審議官の小野平八郎(56)が飲酒で酔っ払い、東急田園都市線の車内で乗客に対し「殴る蹴る」の暴行を行い現行犯逮捕されました。 小野容疑者は事務方トップの事務次官候補であった程の超高級官僚ですから、この報道は大きな衝撃を与えました。いわゆる高級キャリア官僚の不祥事はこれまでも度々報道されてきましたが、「酒に酔った上、殴る蹴るの暴行」という凶悪とも言い得る暴力事件は耳にした事がありません。 財務省と言えば「緊縮財政」、すなわち「国債発行を阻止し、あらゆる政策実行を阻止・妨害する財政」を推進する役所。財務官僚達はそんな「政策妨害」のために、マスメディアの報道内容や経済学者の審議会発言を操作すると共に政治家達を操るために身を削って日夜暗躍しているわけで、その真実を知らない永田町・霞ヶ関関係者など、誰一人いません。 永田町・霞ヶ関村以外の一般の方には俄に信じられない話かもしれませんが、総理大臣経験者ですら「総理大臣より大蔵省/財務省の方が権力があるんだよ」と口を揃えて発言する程ですから(田原総一朗氏はそう言う総理証言があった事を報告していますし、当方も実際にそんな発言を直接耳にしたこともあります)、財務省が政治家・メディア・学者達を操り人形の様に扱っているという話は決して誇張ではないのです。 ですからそんな財務官僚達にしてみれば、総理大臣達ですら操れる俺たちが「一般の電車の乗客」程度の人間を意のままに操れないなんて絶対許せない、と思ったとしても全く不思議はありません。今回の事件はそんな「傲慢」極まりない精神が酒の力のせいで赤裸々に表出してしまっただけの話だ、という「疑義」が濃密にあります。 そして事実、この事件の背景を一晩かけて綿密に取材したジャーナリスト須田慎一郎氏が、そんな「疑義」が単なる邪推ではなく十二分以上の正当性があるという事を明らかにしています。本日はそんな須田氏の取材報告を引用しつつ、この事件の真相を解説したいと思います。 …… この事件が起こったのは5月19日の深夜ですが、同日19日には、小野容疑者にとって腹に据えかねる事が、与党自民党においてあったのです。 須田氏曰く、小野氏は毎年の予算の枠組みを決する「骨太の方針」を担当者。そして彼はここに何としてでも、「2025年のプライマリーバランス(PB)黒字化目標」(いわゆるPB規律)を明記させるために、寝る時間も削って粉骨砕身、必死になって調整を続けて来たとのこと。 https://www.youtube.com/watch?v=8pGE_wSmPUo&t=1s PB規律とは要するに毎年の国債発行額(=政府の借金)を削っていき、2025年には発行額ゼロを目指すというもの。したがって、これが決定されてしまえば、経済対策やデフレ脱却、国防、防災、科学技術振興、教育、農政といったあらゆる行政がストップする事になります。その結果、日本は経済は低迷し、国防も防災も科学技術振興も出来なくなってしまい、国民、および国家は甚大な被害を被る事になります。
… … …(記事全文6,540文字)
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