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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

『蝕む中国』~日本人が知らない、中国の経済侵略の実態~

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00178/2021101801235686243 //////////////////////////////////////////////////////////////// 藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~ https://foomii.com/00178 //////////////////////////////////////////////////////////////// 今月末の総選挙における最大の争点は、「消費税」問題ですが、外交上の最重要課題は「中国問題」です。 激しく膨張し続ける中国には、今やアメリカ、そしてG7全体が危機感を露わにしており、中国を放置していてはG7各国の国益が大きく毀損するとの政治判断を下しています。 中国から遠く離れたアメリカや欧州各国ですらそう判断しているのですから、日本はさらに強く中国に対して危機感を持つ必要があります。何と言っても日本はG7の中で唯一中国の隣国なのであり、中国経済の影響を最も濃密に受けています。つまり我が国は今、中国に激しく「蝕まれている」状況にあるのです。 にも関わらず、多くの日本人は、その実態を殆ど理解していません。 このままでは、十分な危機意識の下、適切な中国外交が展開されないというリスクが深刻化してしまいます。 ついてはこうした認識の下、中国による日本に対する様々なレベルの「侵攻」「侵略」が如何に深刻なものであるのかを明らかにせんとした書籍『蝕む中国』を執筆、出版することといたしました。 本書はもともと、岸田内閣誕生以前から本年12月出版の予定で準備していたのですが、最終取り纏め直前に「自由で開かれたインド太平洋」や「経済安全保障」を打ち出す岸田内閣が誕生しました。 岸田内閣の問題意識がまさに当方の新著『蝕む中国』のそれと大いに重なるものであることから、その点も含めつつ、これが一体どういう主旨の出版となるのかを、「はじめに」にて改めて論述しました。ついては、本メルマガにて、その「はじめに」の一部を下記にご紹介さしあげたいと思います。 ■■はじめに:岸田内閣は「蝕む中国」から日本を守れるのか?■■  令和3年9月29日、自由民主党の総裁選で岸田文雄氏が総裁に選出され、第100代総理大臣となった。  岸田氏は、自民党の「保守本流」を自認し、令和版の「所得倍増」計画をとおして、かつて日本が昭和時代に作り上げてきた「分厚い中間層」の再構築を目指すと主張した。これは平成期の小泉政権以降の歴代政権が繰り返してきた「新自由主義」改革によって、下流社会化が進み経済が衰弱し続けてきたことに対する反省を踏まえたものだった。
… … …(記事全文4,049文字)
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