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藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

『「緊急事態宣言の延長」反対論者は、高齢者を「殺」そうとする大罪人である』~日本を滅ぼす恐るべきコロナ脳の論理~

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00178/2021052212271780391 //////////////////////////////////////////////////////////////// 藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~ https://foomii.com/00178 //////////////////////////////////////////////////////////////// 大阪府の吉村洋文知事が21日、高齢者への新型コロナウイルスワクチンの接種が完了するまで、飲食店への営業時間の短縮などの要請を続ける考えを示したそうです。 https://news.yahoo.co.jp/articles/64ce8fece19fd8cdfa79ae7ff58aaa7bd1562c8e 当方はこの記事を見たとき、文字通り目が点になりました。まさかここまで滅茶苦茶な判断をすることも無いだろうと思っていましたが、吉村知事の暴走もここまで過激化してしまったのかと驚愕してしまったからです。 なぜこれが滅茶苦茶だと瞬時に感じたのかを、まず簡単に解説したいと思います。 第一に、この吉村判断は、仮に重症者数が病床数以下で長期的に推移し続けても、高齢者のワクチン接種が完了しない限り、「機械的」に緊急事態宣言を続けることを意味しているからです。 そうなればもう耐えきれず、閉店したり廃業したりする飲食店がどんどん増えていくことは必至です。仮に倒産、廃業を免れた飲食店にしても、凄まじい水準の損失が生ずることも必至です。にも関わらず、後先考えず「機械的」に宣言を延長し続けるなんて、無茶苦茶だと言わざるを得ません。 第二に、そもそも昨年の第一波が終わって春頃から、今年の1月のいわゆる第三波がやってくるまで、緊急事態宣言を出さずともそれなりに重症者数は抑えられ、医療崩壊からはほど遠い余裕のある状況が続けられていました。 もし今回の吉村判断が正当だとするなら、ワクチンの高齢者接種が終わっていなかった昨年の5月から今年の1月までの7~8ヶ月の間も、本来なら緊急事態を宣言し続けるべきだったという事になります。しかし、そんな宣言は「不要」、控えめに言っても「やり過ぎ」だと誰もが判断するでしょう。 それと同じように、今年もあと一月くらいして6月や7月になれば、同じような状況になることは十二分に考えられるのです。にも関わらず、そんな可能性になど一顧だにせず、ただただ機械的に飲食店を閉めろ、酒を出すなと言い続けるのは、余りにも不条理としか言いようがありません。それはただ単なる、飲食店に対する「いじめ」「虐待」のようなものとなるでしょう。ホントに滅茶苦茶です。 っていうか、第三に、昨年の夏はワクチンなど何も無い状態で緊急事態宣言出すどころか、逆に大阪でだってGOTOイートだGOTOトラベルだなんてやってたわけです。あのGOTO施策に対して、大いに反省でもしてるんなら、今回の吉村発言も筋が通りますが、そんな反省なんて何もやってないのです。 そう考えると今回の吉村発言は単なる口から出任せの思いつきだと見なす他ないのです。
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