Foomii(フーミー)

藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~

藤井聡(京都大学教授・表現者クライテリオン編集長)

藤井聡

政府の緊急事態宣言が出鱈目なのは、「惰性だけで出している表裏共に印刷だけの年賀状」の様に「いい加減に出された」ものだからである。

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00178/2021011615195475431 //////////////////////////////////////////////////////////////// 藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~ https://foomii.com/00178 //////////////////////////////////////////////////////////////// 緊急事態宣言が首都圏だけで無く、関西や福岡などで発出されてしまいました。これで緊急事態宣言下エリア人口は、日本人の半分以上となってしまいました。 昨年4月の緊急事態宣言に比べて、8割自粛せよとは言われていませんし、8時迄は飲食店は経営できますから、経済に対する打撃の程度は幾分マシではあると言えます。しかし、「緊急事態宣言」という言葉はそれなりの重みがあり、本日ご一緒した芸能人のHさんなども、 「8時迄OKや言うてもやっぱ、ご飯食べにいけませんよねぇ。メッチャ食べに行きたいですけど」 と楽屋でおっしゃってたくらい、多くの人々が8時迄ですら、外食、とりわけ「会食」を控える心理状態に陥っています。 実際、昨日品川駅のレストランに娘と二人で食事に行きましたが、広い店内はびっくりするくらいにガラガラ。そんなこんなで飲食店はどこもかしこも大打撃を受けることは必至です。 しかし既に何度も説明してきましたが、当方はこの緊急事態宣言は文字通り、全くもって馬鹿馬鹿しい宣言だと心底考えています。 理由はいくつもあります。 第一に、医療崩壊を防ぐ、という「絶対正義」のために緊急事態が宣言されたのですが、医療崩壊を防ぐ上で何よりも大切なのは、日本にある膨大な医療資源を、少しでも多くコロナ対応に活用することです。何と言っても日本の医療資源の(病床数でいって)僅か2%しかコロナ対応に活用されておらず、残りの98%が未活用なのですから、馬鹿でなければその98%を活用するにきまっているのですが、日本の政府は「緊急事態」に陥ってもなおその活用をしようとはしないのです。その結果、欧米では考えられないくらいに少ない感染者数で、医療崩壊の危機が陥ってしまっているのです。 第二に、「医療崩壊」を防ぐ絶対正義のために必要なのは、感染者数そのものでなくて「重症者数」を減らすことで、そのためには、何十倍、何百倍の危険度で重症化し易い高齢者等の感染症対策を徹底すればいいのですが、「緊急事態」に陥ってもなお政府はそれを一切やろうとはしていません。で、全くといって良いほどに重症化リスクが無い若者の行動が高齢者と全く同じ水準で制限され、それを通して経済崩壊が加速されているのです。実に馬鹿馬鹿しい光景です 第三に、昨年暮れには「会食マスクしましょう」だとか「高齢者のGoToトラベルは中止しましょう」だとかと、幾分コマシな事を一時期、菅総理は口にしてはいましたが、緊急事態になって全くそれが言われなくなってしまっています。緊急事態でもなお、8時迄なら、会食OKだと言われてるわけですから「8時までの会食時には、マスク会食を徹底して下さい」くらい言い続ければいいのに、ほとんどそういう話は耳に入ってきません。
… … …(記事全文4,184文字)
  • バックナンバーを購入すると全文読むことができます。

    購入済みの読者はこちらからログインすると全文表示されます。

    ログインする
  • ひと月分まとめての販売となります。1記事のみの販売は行っていません。

    価格:880円(税込)

    2021年1月分をまとめて購入する

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2024年4月19日に利用を開始した場合、2024年4月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2024年5月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、ドコモケータイ払い、auかんたん決済をご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

銀行振込では、振込先(弊社口座)は次の銀行になります。

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する