━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/08/03 10月7日大安総選挙が予想されるこれだけの理由 第305号 ──────────────────────────────────── 週明けの8月6、7日に参議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会が 消費増税法案の採決に向けて中央公聴会を開く。 修正法案の提出政党である自民党と公明党は、中央公聴会後、速やかに委員会 および本会議で法案を採決することを求めている。 これに対して、民主党は法案の採決をお盆明けに先送りすることを求めている。 法律案提案者である民主党が採決を先送りし、与党に協力する自民、公明の野 党が法案の早期採決を求めるという、いびつな構図が生まれている。 民主党の野田執行部が法案採決を先送りしようとしているのは二つの理由によ る。ひとつは、法案採決に際して民主党から法律案に反対する議員が出ること が確実な情勢で、採決を先送りして民主からの離脱者を減少させる必要に迫ら れていることだ。 すでに参議院では、自民党との議席数の差が1となっており、民主党からさら に離脱者が出ると、民主党は参議院第一党の地位を失うことになる。議院運営 委員会の理事構成などが激変し、民主党は参院を掌握することが困難になる。 もうひとつの理由は、消費増税法案の採決が終われば、政局が一気に解散モー ドに移行する可能性が高いことだ。 野田内閣の支持率は地を這っており、民主党の支持率も低下している。 野田佳彦氏は小沢一郎氏を中心とする民主党の本来の主流派が離党すれば、野 田内閣の支持率が浮上すると考えていたようだが、現実は逆になっている。 マスメディアは、「国民の生活が第一」に期待するかとの質問を設定し、「期 待しない」が多く、「期待するが」15%程度に過ぎないことを強調する。 しかし、政党支持率を見ると、民主党も自民党も15~25%程度の水準しか 得ておらず、新党の創設時点から15%もの「期待する」との回答を得ている こと自体が、この政党に対する国民の強い期待が表れている。 消費増税法案が採決されれば、自民党も早期解散に舵を切る可能性が高い。 このなかで、自民、公明を除く野党が週明けにも内閣不信任決議案を共同提出 する可能性が高まっている。 衆議院で内閣不信任決議案が提出された場合、自民、公明両党が賛成に回ると、 民主党から15名以上の不信任賛成者が出れば、不信任案決議案は可決される… … …(記事全文4,791文字)
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植草一秀(政治経済学者)