━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/07/04 小沢氏冤罪事件の深層抉る孫崎享「戦後史の正体」 第276号 ──────────────────────────────────── 元外務省情報局長の孫崎享氏が新著『戦後史の正体』を出版される。 そのパイロット版をご恵送賜った。 孫崎氏はこの3月に講談社現代新書から、 『不愉快な現実-中国の大国化、米国の戦略転換-』 を発表されたばかりである。 精力的なご執筆活動に驚嘆するとともに、心からの敬意を表したい。 『不愉快な現実』では、いま日本で喧(かまびす)しい尖閣諸島の問題につい ても、もっとも正確で精密な現状分析が示されている。 米国は尖閣諸島を日米安保条約第5条が適用される日本の管轄地としながらも、 尖閣諸島の領有問題について、尖閣諸島の領有権が「係争中」にあり、日本と 中国のいずれの側にもつかないとの立場を明確にしている。 尖閣問題を論じる際に、歴史的経緯および現実の事実関係を正確に把握するこ とは何よりも重要なことであるが、通常のマスメディアは、このような基礎的 な事実関係を正確には伝えない。 このことが、領有権に関する国際間の紛争を助長する側面があることを見落と せない。 孫崎氏の新著は7月30日に刊行予定とあり、ご恵送賜った著書は、パイロッ ト版である。本の出版前に広く情報を周知させるという、新しいスタイルの出 版方式が取られている。 孫崎氏が「はじめに」に書かれているように、本書は、 「これまでほとんど語られることのなかった「米国からの圧力」を軸に、日本 の戦後史を読み解いたもの」 である。孫崎氏が記述するように、「「米国の意向」について論じることは、 日本の言論界ではタブー」である。ここに正面から切り込んだ著書であり、す べての国民必読の書であると思われる。 本書はそもそも孫崎氏が出版社から、「高校生でも読める日米関係の本」とし て提案された書である。… … …(記事全文5,350文字)
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植草一秀(政治経済学者)