━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/06/09 スイシンジャー対ミトメンジャーの闘いPARTⅡ 第251号 ──────────────────────────────────── 消費増税と原発再稼働。 どちらも、国民生活に直結する超重要問題である。 議会制民主主義の仕組みは、重要な意思決定の権限を最終的に主権者である国 民に与えるものである。 しかし、それぞれの問題を、いちいち、主権者国民に答えてもらうわけにはい かないから、代議制という仕組みを用いている。 だが、その際、肝になるのは、国会で議決をする議員が民意の負託を受けてい るということだ。 しかも、新たに発生するような問題については、主権者が議員に意思決定を託 すとは言っても、いわゆる「白紙委任状」のような委任はできない。 議員が主権者国民の考えに沿って行動するかどうか、まったく判定できないか らである。 このような問題点を踏まえて提唱されたのが、「マニフェスト選挙」である。 選挙の際に、重要政策問題について、各政党が責任ある公約を明示する。主権 者国民はその明示された政権公約をじっくりと読んで、政策方針を軸に政権を 委ねる政党を選択する。 「マニフェスト選挙」は「政権選択選挙」でもある。 一番のポイントは、マニフェストという、一種の契約書を主権者と政党とが交 わして、この契約書を遵守することを条件に、政党は投票を要請し、国民は政 党に投票する点にある。 いま、この国で直面している二大課題は、消費増税と原発再稼働だ。 消費増税については、2009年8月総選挙での最大の争点になった。自民党 は消費増税を提案し、民主党は「消費増税の前にやることがある」ことを主張 した。 「消費増税の前にやることがある」というのは、具体的には「天下りとわたり の根絶」だ。これを野田佳彦氏は「シロアリ退治」と表現した。 「シロアリ退治なき消費増税阻止」 これが、民主党が主権者国民と交わした契約書に記載された約束である。… … …(記事全文5,645文字)
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植草一秀(政治経済学者)