━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/01/20 東電処理歪める天下り温存官民癒着の構造 第112号 ──────────────────────────────────── 「天下り根絶なき消費増税粉砕」 野田佳彦氏は内閣改造を実施し、増税原理主義者の岡田克也氏を副総理で入閣 させた。 岡田氏は増税強行実施を主張する増税原理主義者だが、民主党の公約である、 増税論議の前の「天下りとわたりの根絶」に取り組む姿勢をまったく示さない。 それもそのはず。 岡田氏の実家であるイオン株式会社は、検察が小沢一郎氏に対する謀略を仕 掛けた2009年5月に、元検事総長の但木敬一氏の取締役への天下りを受け 入れているのだ。 国会では、イオン株式会社の但木氏に対する処遇を明らかにするよう、追及 するべきだ。 また、破たんした日本振興銀行の払い下げがあった。いわゆる「官業払い下 げ」だ。最終候補者にイオン銀行と民間の投資ファンドが残ったが、日経新聞 などが、早い段階からイオン銀行への払い下げを根拠なく報道するなど、不自 然な動きが目立った。 政府はかんぽの宿をオリックス不動産に払い下げることを決定しながら、そ の後、国会で不正入札が指摘され、売却が白紙に戻されたが、日本振興銀行の 払い下げにも不透明な点が非常に多い。 イオンは元大蔵省理財局長で、元金融庁企画総務局長原口恒和氏のイオン銀 行代表取締役会長への天下りを受け入れた。この人事と日本振興銀行払い下げ がリンクしている可能性が関係者の間で指摘されている。 まさに、天下りが官民癒着の中核として機能しているのではないかとの疑惑 を生む象徴的な事例である。 政府は102の独立行政法人を65法人に減らすこと、17ある特別会計を 11に削減する方針を決めたが、数が減ったところで、中身が変わらないなら、 単なる看板の架け替えだ。 鳩山内閣が国民に約束したことは、 「天下り根絶無き消費増税」反対である。… … …(記事全文6,232文字)
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植草一秀(政治経済学者)