━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/12/27 民主党にマニフェスト遵守を求めない21世紀臨調 第88号 ──────────────────────────────────── 民主主義の基本は、重要問題について主権者である国民が検討し、判断する ということだ。 しかし、すべての問題について、国民が直接検討して判断することは不可能 だ。そこで、主権者である国民は、公正な選挙を通じて自分たちの代表者を選 ぶ。この代表者が国民の信託を受けて国政を行う。これが代議制民主主義の基 本プロセスだ。 この基本プロセスが現実の政治おいて実現するうえで、最重要のプロセスが 国政選挙である。 国政選挙に際して、政治理念と具体的な政策を共有する集団が結束して、国 民にその政策理念と具体的政策を訴える。この政策理念と具体的政策を共有す る集団が政党である。 主権者である国民は、政党が示す政策理念と具体的政策を比較検討して、ど の政党に政権を委ねるかを判断して投票する。国民の多数が投票した政党が国 会での多数議席を獲得して国会において政権を樹立する。 この政権政党が主権者国民の信託を受けて国政を行うことによって、主権者 国民の意思が反映される政治が実現する。 その際、重要なことが二つある。 ひとつは、政党が国政選挙に際して、政策理念と具体的政策について、明確 で分かり易い公約を提示することだ。政策の範囲はあらゆる方向に広がってお り、政党はすべての政策の方針と具体的施策について、明確な表現で国民との 約束、政権公約を示さなければならない。 いまひとつは、政党が国民の信託を受けて実際に政権を担うようになった場 合、主権者国民との約束、言わば「契約」を、責任を持って実行することであ る。 選挙の機会以外、主権者国民はその主権を行使することが極めて難しい。し たがって、政党は、政権公約を提示する際に、すべての問題を精査する必要が あり、政権公約として主権者国民の前に公約を示した以上、それを遵守する責 任を負う。 次の国政選挙までは、その公約を守る責任があると考えるべきである。… … …(記事全文5,152文字)
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
植草一秀(政治経済学者)