━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/12/08 鈴木宗男氏無事生還と政治的冤罪被害者の会 第69号 ──────────────────────────────────── 鈴木宗男元衆議院議員が帰還された。 心からおつかれさまでしたと申し上げたい。 日本の警察・検察・裁判所が腐っていることが、ようやく人々に知られるよ うになってきた。 それでも、彼らは行動を改めないし、政府は改革を実行しようとしない。 日本の現状には三つの重大な問題がある。 第一は、警察と検察に不当に巨大な裁量権が付与されていること。 第二は、基本的人権が守られていないこと。 第三は、中立公正であるはずの裁判所が、まったく中立公正ではないこと。 これらの重大な問題は致命的である。日本の警察・検察・裁判所制度は信頼 に値する存在ではない。 これを是正することが不可欠だが、すぐに期待できる状況にない。 そうだとするなら、刑事事件で有罪とされながら、一貫して無実を主張し続 ける人間を犯罪者と見なす習慣を見直すべきである。 警察・検察・裁判所を絶対視してしまうと、裁判所によって有罪が確定した 人は、真実として「悪い人」ということになってしまう。 しかし、警察・検察・裁判所の決定は、すべて人の判断によるものである。 人が行うものなのだから、間違いはつきものである。 さらに、時の政権、あるいは権力者に対する政治的敵対者に対しては、人為 的にこの敵対者を刑事事件の犯人に仕立て上げるインセンティブが政治権力の 側にあり、しかも、政治権力の側が、それを実行しようとする場合には、いく らでも冤罪被害者が生み出されることになる。 悪いことをして捕まったら犯罪者だが、悪いことをせずに悪い奴らに捕まっ たなら、これは犯罪者ではなく、被害者である。このことを、もっと社会にア ピールしてゆくことが必要だ。… … …(記事全文5,234文字)
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
植草一秀(政治経済学者)