━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/12/03 主権者国民は消費増税是非での民主党分党を歓迎 第64号 ──────────────────────────────────── 野田佳彦氏が12月1日、消費税率の引き上げを含む社会保障と税の一体改 革について、年内をめどに税率の引き上げ幅と実施時期を明記した素案を政 府・与党で策定し、野党との協議を経て、最終案となる大綱を決定したいとの 考えを示した。 野田氏は素案について 「年内をめどに取りまとめるため、私が先頭に立ち、政府・与党の議論を引っ 張る」 と決意を表明し、 「なるべく素案の段階で税率と時期を明示したい」 と述べて、来年の通常国会に消費税増税関連法案を提出し、成立を目指す考え を示した。 同時に、安住淳財務相に2011年度第4次補正予算編成を指示したことを 表明した。財源は経費節減などで賄い、追加的な国債を発行しないことも述べ た。 第4次補正予算については、野田氏がTPP交渉への参加を表明した時点か ら漏れ始めていた。TPP反対派の議員を補正予算で懐柔するとの見方だ。そ れが具体化し始めた。 消費税の巨大増税と第4次補正予算は裏側でつながっている。 野田氏は会見で社会保障と税の一体改革について、 「私が先頭に立ち、政府・与党の議論を引っ張る」 と述べて、自身のリーダーシップを強調したが、政治のリーダーシップをはき 違えてもらっては困る。 政治における真のリーダーシップとは、主権者国民の意思を尊重し、その意 思を政治に反映させるために、官僚組織の抵抗を打ち破ることを言う。 ところが、野田佳彦氏はこのリーダーシップを主客転倒させている。 野田佳彦氏はリーダーシップを、官僚組織が主導・提唱する政策、意向を国 政に反映するために、主権者である国民の意思を打ち破り、踏みにじることだ… … …(記事全文5,714文字)
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植草一秀(政治経済学者)