… … …(記事全文5,816文字)女系天皇容認の伊藤博文を変節させた井上毅『謹具意見』には、「男を尊び女を卑しむの慣習、人民の脳髄を支配するわが国においては、女帝を立てて皇婿を置くの不可」とある。令和の皇統もこれでいくつもりか
◆〔特別情報1〕
共同通信は3月31日、「国民民主党・玉木雄一郎代表『時間的制約ある』女性皇族の身分保持実現を」という見出しをつけて次のように報道した。
「国民民主党の玉木雄一郎代表は31日の記者会見で、皇族数確保策を巡り、政府の有識者会議が答申した主要2案のうち、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案を速やかに実現するよう求めた。女性皇族の年齢を踏まえ『時間的制約がある。集中して議論していくべきだ』と述べた。
4月15日に開く方向で調整されている衆参両院の全党派が参加する全体会議では、答申案に賛同した従来の主張を維持すると説明。国会の総意取りまとめに向けて、中道改革連合に対し党内の意見集約を急ぐよう注文も付けた。」
この記事について、社会学者で神戸学院大学准教授の鈴木洋仁氏が、コメント欄で次のように指摘している。
「この記事を配信した共同通信の記者からの質問に答えたものです。玉木氏は、これまでの考え方をくりかえすかたちで、国民民主党としては、女性皇族が婚姻後も皇室に残った上で、その配偶者や子どもを『準皇族』とするべきだと述べました。待遇は皇族として扱い、皇位継承の権利は与えないという提案です。」
停滞してきた皇位継承問題に小さな風穴を開けたようではあるが、いずれにしても「男系男子による皇位継承を基本とする」のが国民民主党の方針であり、国民の7割、8割、9割が待望する「愛子天皇」には反対の立場である。ともかく衆議院の圧倒的多数を占める与党は、自民党はもちろん維新も「愛子天皇」反対の「男系男子」堅持だ。日経新聞は3月11日、「皇族数確保策の議論は終局段階 日本維新の会・藤田共同代表」という見出しをつけて次のように報道した。
「日本維新の会の藤田文武共同代表は11日の記者会見で、皇族数確保策を巡る与野党協議に関し『論点はほとんど出尽くした。議論を終局するステージに来ている』と述べた。政府の有識者会議が答申した①女性皇族が婚姻後も皇族の身分保持②皇統に属する男系男子の養子縁組を容認―の主要2案について、多くの党派が賛同しているとも主張した。〔共同〕」
維新の常とう句のスピード感をもって「皇統に属する男系男子の養子縁組を容認を決める時」とし、言い換えれば、国民の意向はスルーで決めるということらしい。
また、公明党と新党結成で発足した中道は、15日までに党内議論をまとめるとしているが、恐らく無理だろう。仮にまとまったところで、男系男子派が圧倒的多数を占める衆議院で議論の方向性に影響力を持たせるだけの「数」はもちろんのこと「熱量」もなく、鼻から期待はできない。「愛子天皇」を待望する国民としては、残る参議院での議論に、かすかな望みをかけるしかないところだ。
それにしても、国民の信任を受けて国会の場に立ったはずの国会議員のなかに、国民の意向に沿う考えを持つ議員はこれほどまでにいないのか、不思議な感覚を覚える。2月8日投票の衆議院選挙では、女性当選者は68人で、最多だった2024年の73人に次ぐ数だった。しかし、高市首相を筆頭に女性議員から「男系男子」に疑問を投げかける声は聞こえてこない。むしろ、「男系男子」に強く同調していることがうかがえ、そこに危機感すら覚えるところ。4月に入ったことであり、ここで微力ながら一石を投じたい。

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