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板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~

板垣英憲(政治評論家)

板垣英憲

中東屈指の親日国イランと友好関係を築くキッカケとなった「日章丸事件」。1953年、巨大タンカー「日章丸」がアバダン港へ入港を果たすと、市民から大歓迎を受け、日本の出光は世界に驚きを与えた

中東屈指の親日国イランと友好関係を築くキッカケとなった「日章丸事件」。1953年、巨大タンカー「日章丸」がアバダン港へ入港を果たすと、市民から大歓迎を受け、日本の出光は世界に驚きを与えた

◆〔特別情報1〕
 時事通信は22日、「イランに攻撃の即時中止要求 エネ供給支える用意 G7外相声明」という見出しをつけて次のように報道した。
「先進7カ国(G7)外相は21日、声明を出し、イランによる周辺国への攻撃は中東地域と世界の安全保障を脅かしているとして、『全ての攻撃の即時かつ無条件中止』を求めた。
 イランは米イスラエルへの報復として、カタールにある世界最大級の液化天然ガス(LNG)生産拠点などを標的にしている。
 声明は、中東諸国の民間人、民間施設に対するイランの攻撃を『無謀』と強く非難。『不当に攻撃された国々が領土を防衛し、国民を保護する権利を支持する』と訴えた。」
 この記事で注目してしまったのは、読者からのコメントである。あるコメントには23日13時30分時点で、1.8万もの「共感した」の数字が出ているのに対し、「うーん」という否定的な数は2920と圧倒的に大きな開きがあった。その1.8万もの共感を得たコメントは次のとおりである。
「始めた側には言わないで、何故防戦側に言ってるの?普通は逆だろ。イスラエルと米国が引き起こしているのだから、停戦を求めるのはこの二国じゃん。どうせイランが停戦に応じても、イスラエルがだまし討ちをするのは目に見えていること、イスラエルには米国を除いた国連軍を派遣して監視をするぐらいしないと、争いは続くと思う。」
 日米首脳会談の直前までは、この戦争を始めたトランプの孤立が際立ち始めていた。そんな焦燥感を抱えたトランプのもとへ飛び込んでみせたのが、日本の高市首相。両手を広げて歓迎するトランプの大きな胸に抱き着き、寄り添う気持ちを全身でアピールした高市首相の初訪米は、決裂に終わらなかったことをもって、ひとまず成功を印象づけたと思えるところ。
 しかし、帰国直後の「イランに攻撃の即時中止要求」に日本国民の本音は別の感情を持っていた。なぜ、こうもイランに日本国民は友好的感情を持ってしまうのか。
 毎日新聞は19日、「日米首脳会談前に知っておきたい 日本とイランの深~い?関係」という見出しをつけて次のように報道していた。
「日本がイランと外交関係を結んだのは1929年。両国は第二次世界大戦前後の一時期を除き、伝統的な友好関係を築いてきた。
 イランが『親日』となった理由の一つとして挙げられるのが、世界的に注目された53年の日章丸事件だ。出光興産が同社のタンカー『日章丸』をイランに送り、石油製品を載せて日本に持ち帰った。イランは当時、石油産業の国有化に踏み切ったことで、国際的に孤立しており、イラン国民から熱烈に歓迎されたという。イランからの独自輸入を断行した同社創業者の出光佐三氏は、小説『海賊とよばれた男』(百田尚樹氏著)のモデルとなった。日本は74年にイランとビザ免除の協定を結び、78年には福田赳夫首相(当時)がイランを訪問した。」
 ここから先は、元記事を読んで頂くとして、この記事に関連して、別の記事も紹介しておこう。東洋経済は2013年5月、出光佐三氏をモデルとした「海賊とよばれた男」の著者・百田尚樹のインタビューを掲載している。一部、抜粋しょう。
「──それだけ主人公が魅力的だったのですね。
 最高だった。こんなすごい男がいたのか、と。出光について名前ぐらいは知っていたが、この本のクライマックスを飾る日章丸事件についてはまったく知らなかった。五十何年生きてきて初めて知った事件だった。
 当時の新聞の縮刷版を見ると連日1面トップを飾っていた。日本が国際的な影響を与えた、その年に起きた最大の事件だったと思う。ところが、これが今日完全に歴史の中に埋もれてしまった。
 イランへ原油を引き取りに行った日章丸の新田辰男船長も、イランとの契約を成し遂げた佐三の弟や重役も、それを支え抜いた部下たちも、とにかくすごかった。でも彼らだけでは絶対できなかった。当時の東京銀行あるいは東京海上火災保険、通商産業省があえて法律違反を犯してでも出光の決断を支える。あえて自分が犠牲になってでも出光を助けてやろうという、国のためを思うサムライたちが、銀行にも保険会社にも官僚にもいた。」
 敗戦から、わずか7年が経ったばかりの日本で起きた「日章丸事件」。百田が言うように、銀行にも保険会社にも官僚にもいたという「国のためを思うサムライたち」というのは、実際に戦地で戦ってきた世代であったはずだ。彼らの深層心理のなかでは、まだ戦いは終わっておらず、それぞれの心の内で、次なる「戦」が「戦場」を変えて続いていたことだろう。

… … …(記事全文7,250文字)
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