… … …(記事全文7,133文字)「少子高齢化」は世界的潮流で、バブル崩壊により日本が世界に先駆けて突入した歴史的「人口動態の大転換期」。もはや人口減少の流れを止めることは出来ない。その認識のもと、大ナタを振るう大改革が求められる
◆〔特別情報1〕
読売新聞は11日、くらし家庭欄で「[選挙とバリアフリー]投票所への移動手段確保」という見出しをつけて次のように報道した。
「障害や高齢などの理由で、投票所にたどり着くのが難しいと感じる人は多い。そんな人たちを支援しようと、投票所までのタクシー利用券の配布や、車内で投票できる『移動期日前投票所』の設置などで対応する動きが全国的に広がっている。(福島憲佑)」
上記の読売新聞では、さらに次のように記述されている。
「総務省によると、タクシー利用券の配布や巡回バス、臨時バスの運行など、投票所への移動支援の取り組みを行ったのは、16年の参院選で215自治体だったが、22年には306自治体に増えた。移動期日前投票所も、19年参院選の33自治体から、22年は88自治体となった。
ただ、こうした取り組みの背景には、投票所の減少がある。総務省によると、19年と22年の参院選の投票所数を比較すると、全国で1008か所減少した。有権者や投票所を運営する自治体職員の減少などが理由で、神奈川、埼玉県以外の都道府県はすべて減少していた。
障害者や高齢者などにしわ寄せがいく状況となっており、障害者団体などで作る認定NPO法人『日本障害者協議会』は今月7日、『投票所までの移動を含めたアクセスの改善』などを総務相に要請した」
今回の参院選では、各政党ともに若者世代への関心を意識した公約が掲げられている。
また若者に向けた投票への啓もう活動も熱心に行われているようだ。しかし、その一方で投票のためのサポートが必要な高齢者への対応は手薄と言わざるを得ない。身内などに介助を頼められない場合、投票を諦めざるを得ないことになる。高齢者には高齢者としての政治に向けた思いがあっても、その思いを投じることが出来ないということだ。こうした状態が改善されないまま放置されていけば、やがて高齢者は社会から置き去りにされる存在となっていくことだろう。
日本は少子化と高齢化が同時に進行している社会「少子高齢化」の真っただ中にあり、「少子化」と「高齢化」は一対の問題で、本来、日本の人口減少問題は、「少子化」と「高齢化」を併せて対策を講じなければならないはずだ。ところが、現状では、それぞれ切り離されて意識され、「少子化」対策ばかりが熱く語られているといえる。
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