… … …(記事全文3,614文字)政治家への道に踏み出したとき、小沢は、人世航路に決定的なインパクトを与えるもう一人の重要人物と巡り会った。言わずと知れた田中角栄その人である。
小沢は昭和四十四(一九六九)年四月、自民党幹事長の田中に面会を求めて、一人で挨拶に行った、田中は、笑顔を浮かべながら、迎えてくれた。そのうえ、
「選挙に勝つには、辻々で説法し、一人で三万軒を回る覚悟が必要だ。選挙区内の神社の百段が何段あるかも知っているくらいでないといけない。いいか、思い切ってやれ、必ず応援する」
と言って、力強い励ましの言葉を与えてくれたのである。田中流の選挙は、辻説法にはじまって辻説法に終わると説かれているほど、徹底した戸別訪問を原則としている。足に皿豆ができ、それがつぶれても歩き続けるのだ。
板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~
板垣英憲(政治評論家)