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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

ついに「在日米軍が標的」と北朝鮮に言われてしまった衝撃
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017年3月8日第192号 ■   =============================================================    ついに「在日米軍が標的」と北朝鮮に言われてしまった衝撃  =============================================================  北朝鮮国営メディアの朝鮮中央通信がきのう7日、次のように報じた。 「在日米軍を攻撃する弾道ミサイル4発を同時に発射する訓練が実施された」と。  ついに北朝鮮が「在日米軍を標的にする」と明言したのだ。  日本がもっともおそれていた事が起きたのだ。  この言葉こそ、日本の安全保障政策の弱点を見事に白日の下にさらす言葉だ。  日本の外交・安保政策の関係者なら皆が聞きたくなかった言葉だ。  だからこそ、内心気づいていながら誰も決して口に出さなかった言葉だ。  それを、事もあろうに北朝鮮が口に出した。  日本全土は北朝鮮のミサイルの完全な射程距離内にあることは厳然とした事実だ。  その北朝鮮が核ミサイルを保有している事が確実になった。  そして核ミサイルが同時に複数発射されたら、すべてを迎撃することは不可能である。  そのことは自衛隊幹部や防衛専門家でさえ認めている。  一発でも核ミサイルが日本本土に落ちたらその被害は壊滅的だ。  まさか北朝鮮が日本に対して核ミサイル攻撃してこないだろうと安心していられるのは、日本には北朝鮮に攻撃される理由がないからだ。  そんな日本を攻撃するメリットは北朝鮮にはないからだ。  しかし、在日米軍基地となれば話はまったく別だ。  そもそも、北朝鮮の軍事力強化は米国の脅威に対抗するものであることは皆知っている。  北朝鮮も繰り返してそう言ってきた。  米国が北朝鮮の安全保障を約束すれば、北朝鮮は核開発を凍結するとまで言っている。  つまり、北朝鮮が核兵器開発・保有は対米交渉のための軍事的脅威を高めるためなのだ。  これもまたあらゆる専門家が指摘していることだ。  その米国がトランプ大統領になって、金正恩の北朝鮮を軍事的に排除する動きが出て来た。  米韓軍事演習を強行して北朝鮮を脅かしている。  窮鼠猫を噛むのたとえのごとく、もしトランプ政権が金正恩の北朝鮮に対する軍事的圧力をさらに高めるなら、金正恩の北朝鮮が在日米軍基地を攻撃することは、いよいよ現実的になる。  その場合、日本は防ぎようがない。  そして、直接被害を受けるのは在日米軍基地であるにしても、その攻撃は日本全土におよぶ。  なぜなら在日米軍基地は日本全土にあるからだ。  北朝鮮が在日米軍基地を攻撃すれば日本もまた犠牲を受ける。  核ミサイル攻撃ならその犠牲は壊滅的になる。  そうでなくとも日本は原発だらけだ。  たとえ北朝鮮が核ミサイルを使わなくても日本は崩壊する。  こう考えた時、きのうの北朝鮮の「在日米軍を標的にする」という言葉の持つ意味が、いかに深刻であるかがわかる。  しかし、私が本当に衝撃を受けたのはその事ではない。  この北朝鮮の発表に対する日本側の反応だ。  役に立たない迎撃ミサイルシステムをさらに強化しようとしている。  そうすることによって、ますます日本の財政を圧迫し、国民生活を苦しめようとしている。  安倍首相に至っては、「北の脅威は新段階に入った」などと決めつけて、トランプ大統領と電話会談して北朝鮮にさらなる圧力を加えようとしている。  とんでもない間違いだ。  いま日本が米国に伝えるべき事は、危機回避のために米朝協議を早急に行えということだ。  それこそが憲法9条を持つ日本だけが言える事だ。  この事を本気で、正面から主張する評論は、今朝の各紙のどこを探しても見当たらない。  私が本当に衝撃を受けたのは、まさにこの点である。  憲法9条を国是として世界に訴える、それを日本の外交・安全保障政策の基軸とする、この事を掲げる政党が何としてでもこれからの日本に必要である(了)   ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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