□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017年3月7日第190号 ■ ============================================================= マレーシアの対北朝鮮強硬外交を残念に思う ============================================================= マレーシアの対北朝鮮外交は硬化する一方だ。 このままでは北朝鮮との外交関係断絶にまで行きかねない。 私はこのマレーシアの強硬な対北朝鮮外交の背後に、どのような事情があるか、もちろんわからない。 米国からの圧力があったのか、主権侵害された北朝鮮に対する国民的反発があったのか、それはわからない。 しかし金正男暗殺事件が起きた当初からのマレーシアの対応を見ていると、こうなる事は明らかだった。 私が残念だと思う理由は、北朝鮮を世界から孤立させることは決して得策ではないと思うからだ。 それは米国のアジア分断政策に加担する事になるからだ。 アジアをめぐる米中の主導権争いの一方に与する事になるからだ。 なによりも、北朝鮮を孤立化して追い込むなら、極東の平和は危機的状況になるからだ。 マハティール氏が首相であったら、決してこのような外交にはならなかっただろう。 マハティール首相の東アジア共同体構想は、米国を排除した、日中韓とアセアンによるアジアの平和と繁栄だ。 これに強烈に反対したのが米国だった。 それから20数年たって、ナジブ首相のマレーシアは、米国との関係重視に転じたごとくだ。 ナジブ首相は、私がマレーシアにいた1990年当時にマハティール首相に重用された、若くして大臣(青年・スポーツ大臣)に抜擢されたが、いまやマハティール氏とは敵対関係にある。 時代は変わり、国際情勢も変わった。 しかし、マハティール首相が唱えたアジアは日中韓とアジアで築くというテーマはいまでも大きなテーマだ。 そして、それを絶対に許さないという米国もまた、今も昔も、オバマであれトランプであれ、変わらない。 変わったのは日本だ。 これまで以上に無条件に米国従属に突き進んでいる。 私はそれは大きな間違いだと思っている。 しかし、それが間違いだと正面から唱える者は、政治家の中にも世論の中にもどんどんと少なくなってきている。 残念でならない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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