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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

パリ協定批准の米中共同発表は日本外交敗北の裏返しだ
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年9月4日第680号 ■   ============================================================   パリ協定批准の米中共同発表は日本外交敗北の裏返しだ  ============================================================  米中両政府はきのう9月3日、地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」について批准することで合意したと共同発表した。  これをきょう9月4日の各紙が、あたかも衝撃的な大事件のように一斉に大きく報じた。  しかし、これは想定できたはずだ。  すでに地球温暖化防止のための温室効果ガスの削減については2014年に北京で行われたオバマ・習近平首脳会談で原則合意していた。  それに基づき、昨年12月の国連気候変動会議(COP21)では、米中主導でパリ協定が採択された。  まもなく任期を終えるオバマ大統領と、G20のホスト国として「責任ある大国」を誇示したい習近平主席が、最後の首脳会談のタイミングに合わせて共同発表することは十分に予想できたのだ。  お粗末なのは安倍政権の対応だ。  山本公一環境相は9月2日の閣議後の記者会見でこう強がりを言ったらしい。  「米中が締結してもまだ発効には及ばない。日本と言う先進国が果たす役割がある」と(9月4日朝日)。  笑止だ。  中国に後れをとってはいけないとあわてて批准せざるを得ない。  そうでなくても米国の圧力で批准せざるを得ない。  どうせ批准をしなければならないのなら、米中発表に先駆けて、そして中国がホストするG20に先駆けて、日本は批准の意向を表明をすべきだったのだ。  それが外交というものだ。  情けないのは、もはや米国が先送りを決め込んだTPPの批准を最優先して、パリ条約の批准を後回ししようとしていたことだ。  これほどのピント外れはない。  成果のない外遊を繰り返す暇があれば、安倍首相は真っ先に官僚に命じるべきだったのだ。  米中の先を越して発表するように準備を急いでおけと。  今度のパリ条約批准に関する米中首脳の共同発表は、安倍外交の敗北の裏返しである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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