□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年8月20日第640号 ■ ============================================================ 今こそ小泉元首相は被ばくした日本国民の為に立ち上がる時だ ============================================================ 厚生労働省がきのう8月19日、東電福島原発事故の作業に従事した50代男性の元作業員が白血病になったことについて、それを原発事故被ばくであると労災認定した事を発表したらしい。 その事をきょう8月20日の各紙が一斉に報じた。 これは大きなニュースだ。 しかも、これがはじめてではない。 すでに昨年10月に、やはり原発事故収束作業に従事した後に白血病を発症した40代の男性が、はじめて労災認定されていたという。 私はその時は気づかなかったが、いまこうしてあらたに二人目の被ばく者が労災認定されたことは、反原発に向けて重要な意味を持つ。 なぜならば、原発事故による被ばく者が間違いなく存在していた事が明らかになり、それを政府が認定した事になるからだ。 そして、被ばく者は作業員だけではないはずだ。 その気になって徹底調査すれば、作業に従事した自衛隊や警察官その他の政府職員や、福島住民、とりわけ子供たちに被ばく者が続出しても決しておかしくはない。 これまで被ばく者が見つかっても報じられなかったのは、今度のように厚生労働省の正式な労災認定がないからだ。 政府の認定という動かしがたい事実がない限り、メディアは書かないからだ。 握り潰されて来たのだ。 そこで思い出されるのが小泉元首相だ。 彼はオトモダチ作戦に従事させられた米兵が東電を相手取って訴訟していることを知り、これを放置できないと涙を流して立ち上がり、救済基金まで募って被ばく米兵を助けようとしている、 その善意が本物なら、小泉首相は日本国民であるこの元作業員の労災認定のニュースを知って、日本国民被ばく者の支援を言い出さなければウソだ。 もし小泉元首相が米兵の被ばく者だけではなく、日本の被ばく者全体について支援の声をあげるなら、メディアはそれを報じるだろう。 メディアが報じれば日本国民のひろく知るところとなり、たちまちのうちに、日本国民の被ばく者救済問題が大きな政治テーマとて浮上する。 厚労省が二人目の労災認定をしたというきょうのニュースをメディアはもっと大きく報道すべきだ。 そして小泉元首相に気づかせないといけない。 日本にも東電の福島原発事故で被ばくした国民が多数存在することを。 そしてその人たちの救済の為に官民合わせて行動しなければいけない事を。 このニュースを知って小泉元首相が動かないなら、小泉元首相の言動はいかさまだということだ。 しかし、いまの小泉首相はもはや脱原発しかない。 脱原発でいかまさ呼ばわりされることには耐えられないだろう。 小泉元首相の被ばく米兵救済の行動を褒め殺し、そして日本の被ばく作業員の労災認定のニュースを小泉元首相に知らせて更なる行動を促したらいい。 小泉元首相は日本国民の被ばくの為に発言し始めるだろう。 今の小泉氏は使いよう次第で役に立つ(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)