□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年8月12日第619号 ■ ============================================================ 共生社会を訴える日本にその資格はあるのか ============================================================ オリンピックの感動的なニュースが花盛りだ。 それはいい。 私もそれを楽しんでいる。 しかし、そんなオリンピックの記事の中にも、考えさせられる政治的な記事もある。 きょう8月12日の日経新聞に、日本財団パラリンピックサポートセンターのマセソン美季さんという人が書いていた。 この夏に、住んでいるカナダから久しぶりに家族で日本を訪れ、2週間の日本滞在で小学生の息子たちが感じた事を次のように紹介している。 「日本の人は絶対に後ろを向かない」 ドアを通った時の息子たちの感想であるという。 デパートやお店の出入り口で、手動でドアを開けないといけない場合、カナダではごく自然に社会全体で行われている行為が日本では見られないというわけだ。 大人が後ろから来る子供たちを気にせず、自分だけドアを開けて通り過ぎて行く姿は異様な光景として目に映ったのだ。 中でも一番驚いたのは、まだ乗るスペースがあるのに、エレベーターが待たずに出発してしまったことだという。 また、みずからが車いすに乗るマセソン美季さんは、息子たちが、「お母さんは遠回りをさせられている」、「なんでこんなわかりにく場所にあるの?」、「日本にはカナダみたいに身障者はいない」、などと語ったことを紹介している。 マセソン美季さんと一緒に行動する息子たちにはそう映るのだ。 マセソン美季さんはその随想を次のような言葉で締めくくっている。 (日本が)真の共生社会を目指すには、まだまだ改善の余地がある。そう息子たちに教えられた気がすると。 海外生活が長かった私が、日本に帰って来るたびに感じた事が、まさしくこの事だった。 いまの日本は与野党を超えて「共生社会」の実現は政治の合言葉のごとくだ。 政治がきれいごとで終わっているという事である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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