□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年8月5日第602号 ■ ============================================================= 読者からの投稿を共有する(ダニエル・エルスバーグの偉大さ) ========================================================== ダニエル・エルスバーグを知っている人は多いだろう。 いわゆるペンタゴンペーパー(ベトナム戦争の不正義を示す米国防総省の極秘報告書)をニューヨーク・タイムズに暴露して、ベトナム反戦の世界的拡がりに弾みをつけた人物である。 しかし、そのダニエル・エルスバーグが少年の頃から米国の原爆投下を批判していた事を知る人は少ないに違いない。 私もまったく知らなかった。 その事を、私が広島原爆記念日を前にして書いたきょうのメルマガを読んで投稿してくれた読者から知った。 その読者からの投稿を、感謝と共に、以下の通り読者と共有したい。 貴重な投稿だ。 この世の中には知らない情報が無尽蔵に存在する。 知らないところで、頭が下がる立派な人たちの立派な言動がある。 その事を私は書き続けてきたのが、この投稿を受け取って、あらためてそう思う。 因みにダニエル・エルスバーグが通っていたというデトロイト郊外のクランブルック小学校は、私がデトロイト総領事だった時(1997年ー2000年)住んでいたデトロイト総領事公邸の隣にある。 その事ももちろん私はまったく知らなかった。 彼ほどの平和運動家が通っていた学校の隣に住む機会を得たことは何かの縁だと思っている。 以下引用開始 天木さん、 広島・長崎に関してですが、ダニエル・エルスバーグのエッセイをご存知ですか? 速報838号 ダニエル・エルスバーグ『ヒロシマの日――64年間、居眠り運転をしてきた米国』2010年1月14日 http://www.tup-bulletin.org/?p=877 英語の原文はこちら→ http://www.truthdig.com/report/item/20090805_hiroshima_day_america_has_been_asleep_at_the_wheel_for_64_years 何ヶ月か前のオバマの「空から死が」という広島スピーチには全くと言って良いほど感動はなかったですが、数年前にエルスバーグのエッセイの原文を読んだときは、このように考えた少年が1945年の米国にもいたというだけで、少しは救われる気がしました。 その少年が、後にペンタゴン・ペーパーズとして知られるベトナム戦争の終結を早めた内部告発をすることになります。 内部告発をした人間は米国でも日本でもメディアに出ないので、たぶんそのために日本ではあまり知られていませんが、「ジャップをやっつけた」という巷の狂喜には加わらず、原爆のことを子供の頃から考え続けた本当の理解者の考えを、もっと多くの日本人が知るべきだと思います。 そして、彼の考えのきっかけとなった、学校での社会科の先生の問いかけがさらに衝撃的だった: 「パターソン先生はこの戦時下の記事をひとつ見つけていた。彼は、ウラン核分裂性発見のあとに起こりそうな展開を、科学や技術が私たちの社会的慣行よりも先行して飛躍する可能性の例として、私たちの前に提示したのだった。そこで、ある国が、または数カ国が、これで爆弾を製造する可能性を探ることにして、成功したとします。これによって、人類にとってどのようなことが引き起こされるでしょうか。今日あるがままの人類や国家によって、どのように使われるでしょうか。すべてを差し引きして、世界にとって良いことになるのでしょうか、悪いことになるのでしょうか。たとえばそれは平和のための力となるでしょうか、それとも破壊のためのものとなるでしょうか。私たちは、この件について1週間以内に小論文を提出することになった」 まさに、クラスでの問いかけの模範例ですよね。こんなことを考えたのは、全米でもこのクラスたった一つだったのかもしれない。でも、これができる国に竹槍を作り大和魂とか言っていた日本が到底勝てるわけが無い。この1クラスで考えた生徒の一人が、米国の戦争の歴史を少し良い方向に変えることになった。そのことと無関係ではないと思っています。 以下引用終わり ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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