□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年7月3日第517号 ■ ============================================================= アジア円構想を米中につぶされたと暴露した榊原元財務官 ============================================================= 注目すべき記事を見つけたので読者と共有したい。 きょう7月3日の日経新聞「日曜に考える」は、人民元を国際通貨にしようと躍起になっている中国の苦悩について、「激動 人民元」という特集記事で書いている。 私が注目したのは、その記事の中で掲載されていた榊原英資元大蔵省財務官の証言だ。 いうまでもなく榊原氏は1997円にタイをはじめとしてアジアが通貨危機に見舞われた時、宮沢大蔵大臣の下でアジア円通貨圏構想を進めようとした財務官だ。 あの時、日本はまさしくアジアを円通貨圏にして、世界をドル・ユーロ・円の三大通貨圏にしようとした。 それが米国の反対にあって、あっさりとあきらてしまった事は、もはや語り草になっている。 ところが榊原氏は、アジア円通貨圏構想をあきらめたのは、米国の圧力だけではなかった事を暴露したのだ。 これは注目すべき告白だ。 すなわち榊原氏は、アジア通貨基金(AMF)構想が幻に終わった理由を次のように語っている。 「・・・東南アジアや韓国は前向きで、香港もOKだったが米国が反対した。中国との話もうまくいかなかった」と。 さらに次のように続ける。 「最大の原因は中国が賛成しなかったことだ。米国の説得を受けたからだけでなく、日本のイニシアティブが嫌だったのだろう。少なくともイコール・パートナーが望ましかったはずだ」と。 これを要するに米中は、敵対もすれば協力もするということだ。 共通する一大テーマは日本にだけはアジアの覇権国にさせないということだ。 何があっても米国と協力するしかなく、何があっても中国と敵対するしかない安倍政権は危うい。 中国との軍事的緊張関係も、気がつけば日本の知らないところで米中が手打ちすることもありうるということだ。 安倍首相と外務省は、いまのような単純、稚拙な外交力では、日本の国益を守れないという事である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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