□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年12月2日第988号 ■ ============================================================ イスラム国が中央アジアに逃げ込むと言った佐藤優 ============================================================= 三日ほど前だったが、私は日刊ゲンダイから電話取材を受けた。 シリアを逃れたイスラム国が、破綻国家や独裁国家がひしめく中央アジアに第2のイスラム国を作る動きがある。 その国々の中には安倍首相がこの前訪問して日本の援助をばら撒いた国が含まれる。 そうなったら日本の政府援助がイスラム国に使われるおそれがある。 日本の責任問題につながるおそれがあるが、どう思うかと。 私は答えた。 イスラム国が中央アジアに第2のイスラム国をつくる動きがあるかどうか、私は知らない。 たとえそうであっても、日本の援助はすぐに支払われるわけではないので、そうなったら約束を撤回することになるだろう。 だから日本の援助がイスラム国の手にそのまま渡るということにはならないだろう。 しかし、安倍政権下で見られる政府援助のばら撒きは、少なくとも私が政府援助を担当していた時は考えられなかった強引で不適切なものだ。 はっきりしたプロジェクトを確認しないままに援助をばら撒くと、それが何に使われるかわからなくなる。 政府の援助がその国の国民の為に使われることなく、独裁者の懐に入ったり、戦争に使われたりする。 いずれにしても安倍首相の援助政策は国民の税金をあまりにも恣意的に使う許されないことだ、と。 いつものようにそのコメントの一部が翌日の日刊ゲンダイ紙上で、ジャパンマネーがISの活動を助けることになりかねない、という私のコメントとして掲載された。 しかし、私が驚いたのは、その記事の中で私のコメントとあわせ、佐藤優のコメントが同時に掲載されていたことだ。 すなわち、その日刊ゲンダイの記事は、佐藤優がラジオ番組「くにまるジャパン」(文化放送)でこう語った事を引用している。 (IS戦闘員が)逃げる先はキルギスとタジキスタン。破綻国家であるとともに、高い山がある。アフガニスタンで明らかなように、山に逃げると掃討は不可能。そこに第2イスラム国をつくって、それが新疆ウィグル地区にのびてくる。そうなれば、中国で本格的にイスラム国家をつくる動きが出てきて、巨大なテロに発展していく・・・こういうことが、半年か一年先に起きるかもしれない。それくらい緊張感を持っている状況に来ている、と。 これは中国がイスラム国と軍事的に戦わざるを得ない状況がくることを示唆している。 元外務省主任分析官の佐藤優と元外務省在レバノン特命全権大使の天木直人がともにコメントを寄せた11月30日の日刊ゲンダイは歴史に残る記事である、という冗談はさておいて、この日刊ゲンダイの記事は実はとても深刻な意味を持っているのだ。 おりからブッシュのイラク攻撃にあれほど反対したドイツが、12月1日にイスラム国への軍事行動を支援するため、偵察機や艦船に加え、最大1200人の兵員を派遣することを閣議決定した(12月2日朝日)。 その上に中国がイスラム国と戦うために軍事行動を取るようになれば、文字通り世界の主要国がイスラム国と戦うことになる。 安保理国連決議がイスラム国への空爆を含む軍事行動を認めようが、認めまいが、イスラム国と世界の戦争が始まるということだ。 日本も参加すべきだと言う声が日本国内でも高まる。 いや、そのような声が高まる前に、何事にも中国との競争に負けてはいけないと考える安倍首相は、率先してイスラム国への軍事協力を、積極的平和外交だ!と叫んで行うだろう。 その時は、それを体を張って止める政治家も政党も有識者も出てこないだろう。 テロを許すな、中国に負けるな、という世論に逆らおうとはしないからだ。 憲法9条の危機である。 いまこそ新党憲法9条が必要な時である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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