□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年10月21日第861号 ■ ============================================================ 福島原発事故作業員が白血病労災認定を受けた衝撃 ============================================================= 厚生労働省はきのう10月20日、福島原発事故後の作業に従事していた元作業員が白血病を発症した事について、これを労災と認定した。 このニュースは日本国民を震撼させたに違いない。 ついに福島原発事故による被ばく犠牲者が出たのだ。 厚労省は「被ばくと白血病の因果関係は明らかではないが、労働者補償の観点から認定した」と言っているらしい(10月21日毎日新聞)。 しかし、原発事故に蓋をしたまま原発再稼働を始めた安倍政権としては、このタイミングで福島原発事故の被ばく者が出た事は決して認めたくなかったはずだ。 それでも労災認定をせざるを得なかったということは、白血病の発症と被ばくの因果関係が、否定できないほど明白だったということだ。 今度の労災認定は、そのことによって労働者が報われたからよかった、という話では決してない。 福島原発事故対策のために現場に駆り出されていた作業員が、過酷な被爆状況の中で作業させられていた事は、これまでさんざん報道されて来たことだ。 しかもその作業員は身元がはっきりした正社員ではなく、割高とされる手当てでリクルートされてきた派遣労働者ばかりだ。 我々はいまこそ、この不都合な真実に目を向けなければいけない。 繰り返して言う。 今度の労災認定教えてくれることは、労災に認定されたからよかったという話ではない。 被ばくを弱者に押しつけたまま原発事故に蓋をしようとした政府・東電による人権侵害事件が公然と行われて来た。 我々はその不都合な真実をいまあらためて想起すべきだ。 日本と言う国は、世界の主要国の中でも最も人権意識が低い恥ずべき国である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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