□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年10月13日第840号 ■ ============================================================= メディアがこれ以上追及しないまま終わる邦人スパイ容疑問題 ============================================================= ついに女性までもがスパイ容疑で中国に拘束された。 この中国当局による邦人のスパイ容疑拘束問題は、本来ならばメディアがもっと追及して真実を明らかにすべきだ。 しかし、少なくとも大手メディアは決してそれを行おうとはしない。 決して日本政府がその実態に関する情報を漏らさないからだ。 それ以上追及すれば日本政府からにらまれるからだ。 一体本当のところはどこにあるのか。 菅官房長官の言った通り、日本政府はスパイ活動など絶対にしていないのか。 邦人拘束は中国政府の嫌がらせや反日政策に過ぎないのか。 これについて発売中の週刊実話最新号(10月22日号)が外事警察関係者の言葉として次のように書いている。 「日本の情報機関は情報の収集はするが、外地でオペレーション(工作)はしない。日本政府が民間人に仕立てたスパイを送り込むことなどあり得ない。それが証拠に、対中政策における情報力はお粗末のひと言ですから」と。 つまり中国政府に拘束された邦人は、決して日本政府が送り込んだスパイではないと外事警察関係者が認めているのだ。 しかし、中国がまったく無実の邦人をやたらに拘束するはずはない。 この点について軍事評論家の神浦元彰氏は「公安調査庁などから資金が出ていた可能性が高い」と述べている。 可能性が高いどころか、外務省予算の中には、いわゆる機密費と言われる政府報償費がれっきとして存在し、支払われて来た。 もし今度の中国政府による邦人スパイ容疑拘束者が情報提供と引き換えに日本政府から金銭を受け取っていたら、日本政府は関与していないと否定することは出来ないだろう。 まさしくこの点が中国政府の取り調べの核心である。 だからこそ日本政府が大手メディアがこれ以上追及することを許さないのいだ。 大手メディアがこれ以上調査報道をしないのだ。 そして国会で野党もまた、この問題をこれ以上追及する事はない。 なぜならば、それが中国を利する事になり、国益に反することになるからだ。 かくて中国による邦人スパイ容疑問題は、その実態が不明のまま、国民の目に見えないところで日中両政府の政治決着が図られて終わることになる(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)