□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
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□■　   天木直人のメールマガジン２０１５年１０月２日第８０８号
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　 　安倍首相の対ロ融和外交をぶち壊したプーチンのシリア空爆

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　ＩＳ対策という名の下にプーチンのロシアがシリアを空爆した。

　とんでもない暴挙だ。

　これがアサド政権支援の空爆であることは、ＩＳの存在しない反体制派地域への攻撃だったことで明らかだ。

　私はシリアの隣国であるレバノンに勤務してアサド政権によるシリア国民の弾圧と、レバノン国民への占領の実態を知ってしまった。

　だから誰がどのような理由でアサド政権を擁護しても自信を持って断言できる。

　シリアのアサド政権はいかなる意味でも擁護できず、アサド政権に理解を示す如何なる国や意見は間違いだと。

　いまのシリア情勢の混迷の元凶は、何といってもアサド大統領を追放できなかったことにあるのだ。

　そしてその最大の理由はプーチンのロシアがアサド政権を支持したからだ。

　アサド政権に対する対応を巡って、今度の国連総会ではオバマ大統領とプーチン大統領が正面から非難し合ったが、この批判合戦に限って言えば、私は圧倒的にオバマを支持する。

　しかし、その事を議論するのがこのメルマガの目的ではない。

　私が注目したのは、ロシアの空爆に関するきょう１０月２日の読売新聞の記事だ。

　その記事は、これで米国とロシアの対立はさらに悪化し、安倍首相の日露対話路線に対する米国の反発は更に強くなるだろうと書いている。

　安倍政権の応援団長のような読売新聞がそこまで書くのだ。

　安倍首相が知らないはずはない。

　プーチン大統領と首脳会談を行ったばかりの安倍首相はさぞかし当惑していることだろう。

　それもこれも、プーチン大統領の訪日を急ぐ安倍首相の外交の読みの甘さから来る自己責任である。

　これほど無能な首相も珍しい（了）

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編集・発行：天木直人

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