□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年9月29日第799号 ■ ============================================================= インドネシアへの新幹線売り込み競争に敗れた日本(続) ============================================================== 日本が中国と受注を競ったいわゆる「インドネシア高速鉄道計画」について、インドネシア政府が白紙にすると発表したのは9月3日だった。 そのことを、私はそれを報じた9月5日の各紙の記事に言及し、同日のメルマガで、これは事実上の日本の敗北だと書いた。 それからわずか3週間足らずの9月23日、インドネシア政府が白紙宣言を撤回したという。 それを9月24日の各紙が報じた。 私がその記事を見て驚いたのは、このニュース源が、谷崎泰明駐インドネシア大使と会談した直後のダルミン・ナスティオン経済調整相の記者団に対する発言であったことだ。 そしてナスティオン大臣の発言は、白紙撤宣言の撤回、すなわち高速鉄道計画の続行だったにも関わらず、各紙は一斉に、受注は中国側に有利だと書いたことだ。 しかもナスティオン大臣と会談した谷崎大使の言葉が何も伝わってこない。 あのおしゃべりで正直な谷崎大使が何も語らなかったのだ。 これを要するに文字通り日本は新幹線受注競争をめぐって中国に敗北したということである。 日本の報道がいずれも小さかったことがそのことを物語っている。 おそらくそのことはすでに9月3日に決まっていたのだが、その時はインドネシア政府は日本の顔を立ててそう明言できなかった。 三週間ほどして世間の注目が沈静化した頃合いをみはからって、谷崎大使を呼んで引導を渡したということだ。 安倍政権と外務省の受けた失望は大きかったに違いない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)