□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年8月25日第693号 ■ ============================================================= 安倍首相が必読すべき福田和也著「岸信介と未完の日本」 ============================================================== 本屋に立ち寄って、そのタイトルに惹かれて福田和也著「岸信介と未完の日本」(扶桑社文庫)という本を購入した。 538ページに及ぶ大著だが、一気に読ませる内容の本だ。 そしてつくづく思った。 これは安倍首相が必読すべき書だと。 同時にまた、今の混迷する政治状況の中で、一人でも多くの日本国民が必読すべき書であると。 その理由をここで短い文章で書きつくすことはとても無理だ。 しかし、これだけは言える。 安倍首相が祖父の岸信介という政治家と彼が目指していたものを正しく理解していたら、今のような間違った政治を決して行わなうことはなかっただろう、ということだ。 もし国民が岸信介という政治家と彼が置かれていた歴史的背景を正しく知っているならば、政治を、いわゆる右翼、左翼で二分する考え方の間違いに気づくたであろうということだ。 政治家岸信介がめざし、そして果たせなかった「未完の日本」とは何か。 著者の福田和也氏はそのことを明示していない。 しかし、それが真の保守二大制の確立であり、正しい保守政権の手による対米従属からの脱却であることは明らかだ。 言い換えれば、それは左翼イデオロギーによる政治を国民は許さなかったし、許してはいけない、ということだ。 ちなみに福田和也氏はこの本の中で、岸信介は、浅沼稲次郎を善意の人道主義者と見て気脈を通じ、穏便な社会主義は認めてしかるべきと考え(社会党から国政に出馬することも考えたことがあったという)、その一方で自由放任主義を敬遠する改革論者であった、と評している。 福田氏がこの本で訴えようとしていることは、今の日本の政治の混乱は、岸信介が目指し、そして実現できなかった、この二つから由来しているということだ。 そして今の政治家の誰一人として岸を超えられず、そのような政治家はあらわれそうもない、つまり日本は未完のままに終わるのではないか、という危惧だ。 この本は今書かれたのではない。 安倍政権誕生前の2012年4月に単行本として書き下ろされたものを一部修正して文庫本として再刊されたものであるというから、福田氏の慧眼には驚くものがある。 私は正しい保守政治こそがこの国を対米自立に導くことができるという岸や福田の考えに賛同する。 しかし、私と岸や福田の考え方の最大の違いは、その憲法9条観にある。 すなわち改憲、自主防衛によってそれを成し遂げるという岸や福田の考えを排し、憲法9条こそ最強の安全保障政策であり、対米自立につながる唯一、最善の策であると考える。 そして、憲法9条の精神こそ、日本の再生の鍵としなければいけない。 私が新党憲法9条の実現を目指す理由がそこにある。 新党憲法9条は政権を目指すものではない。 保守一党の政治であれ、保守二大政党の政権交代による政治であれ、権力は必ず弱者を裏切るおそれがある。 それを監視し、抑制する政党が新党憲法9条である。 それさえあれば、どのような政党や指導者が政治を担ってもいいのだ。 本来、政治とは困難で割に合わないものである。 国民以上の特権さえ与えなければ、政治など誰がやってもいい、そう思わせる状況を作らなければいけない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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