□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年2月20日第158号 ■ ============================================================== ピエロ役を演じさせられることになる安倍談話有識者会議の面々 ============================================================== 安倍談話の有識者会議の氏名が公表された。 それを見て苦笑しないものはいないだろう。 そこに名を連ねるのはいつもの顔ぶれだ。 いくら「内外に配慮」とか「安倍色突出を避ける」などと書いてみてもバレバレだ。 なにしろ安倍擁護の産経新聞でさえ一面トップで「安倍カラー前面」と見出しに書いてるほどだ。 しかし、私が彼らをピエロだと書いたのはそれが理由ではない。 彼らは本当のピエロになるだろうと思うからだ。 いうまでもなく中国が最大の関心を持って見ているのが、安倍談話の中で村山談話に見られる「植民地支配と侵略」と言う言葉と、それに対する「お詫びの気持ちを表明する」という二つの言葉が、使われるかどうかだ。 つまり安倍首相の口からその言葉が発せられる事を習近平は求めている。 なぜならば、村山談話のすべてはこの二点にあり、あの小泉首相でさえ2005年の小泉談話でこの二つの言葉をそのまま繰り返している。 この二つの言葉が使われない限り、安倍談話がどのような未来志向の言葉を並べ立てても、歴史認識の後退となり、村山談話の否定になる。 ところが、この二つの言葉を使わない安倍談話を出す事こそ、安倍首相の目論見であり悲願であるのだ。 見ているがいい。 そのうち中国はより明確な形でこの二点への言及を求めてくるだろう。 いや、すでに日本側に伝えて来ているのかもしれない。 安倍首相は知っているのかもしれない。 ひょっとしたら、この二点さえ安倍首相が認めるなら自分は日中関係を劇的に改善させる用意があると、習近平は安倍談話発表前のベストなタイミングで表明して、先手を打ってくるかもしれない。 そうすれば安倍首相は追いつめられる。 それでも安倍首相が応じないなら、日中関係は決定的に悪化する。 安倍談話は習近平主席と安倍首相の一騎打ちなのだ。 私が有識者会議の面々がピエロになるという理由はここにある。 いくら有識者会議が二つのキーワードを盛り込むべきだと進言しても安倍首相に一蹴されるだろう。 その一方で、安倍首相の気持ちを忖度して、はじめから二つのキーワードを避ける提案をするなら、すべての責任は有識者の提言のせいにさせられる。 それを知っていながら、それでも有識者会議のメンバーを引き受けたこの16名の連中は、世間体の名誉にこだわるどうしようもないピエロであるということだ。 安倍談話は安倍首相一人につくらせればいのだ。 それをおそれて、安倍首相は菅官房長官に任せると言い出した。 いいだろう。 安倍ー菅コンビに任せればいい。 そのかわり、その責任のすべてをこの二人にとらせればいいのだ。 それが安倍談話問題のすべてである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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