□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2015年1月27日第83号 ■ ============================================================== 人質交換に反対しているのは米国である動かぬ証拠 ============================================================== 日本のメディアはヨルダンが、日本の人質解放と捕虜になったヨルダン人パイロット人質の釈放のどちらを優先するか板挟みで苦しんでいるなどと馬鹿な事を報じている。 ヨルダン人を犠牲にした死刑囚を釈放することはヨルダン国民が許さない、ヨルダン国民の反発を恐れるアブドラ国王は苦境に追い込まれているなどと、馬鹿な事を報じている。 親日国のヨルダンや親日家のアブドラ国王を苦しめることは、安倍政権にとっても辛い事だなどと馬鹿な事を報じている。 それらはみなウソだ。 ウソでなくても、二次的なことだ。 イスラム国が要求する死刑囚釈放は、米国が決して許さない。 そんなことをすれば、ただでさえ勝てないテロとの戦いに、屈服する事になるからだ。 後藤氏釈放の実現の本当の困難さはここにある。 そう私は何度も繰り返してきた。 その証拠を、きょうの1月27日の読売新聞が、「米『囚人釈放』応じず」という見出しで要旨次のように報じていた。 すなわちマクドノー大統領補佐官は25日、FOXニュースのインタビューで人質と囚人の交換は行わないと述べたと。 人質になっている米国人女性について「生還のためにやるべきことはなんでもやる用意がある」が、イスラム国の人質交換要求には応じないと述べたというのだ。 この読売新聞の記事で我々が知ったのは、イスラム国は現在、米国人女性一人も人質にしているということだ。 そして米国に対し、その女性人質解放の為に、身代金の要求や人質交換を要求しているということだ。 そして米国はその要求には絶対に応じない。 同時に米国は、やれることは何でもやるといっているということだ。 これは、いざという時には特殊部隊による強硬措置を取るということである。 人質の命が二の次であるという事である。 米国が、属国のごときヨルダンや日本に、イスラム国の要求に従うなと命令していることは容易に想像がつく。 たとえそうでなくとも、米国の庇護なしにはやっていけないアブドラ国王や安倍首相が、米国の意志に反する事をやれるはずがない。 ヨルダンと日本の苦しみはここにある。 ヨルダンと日本が自国民と相手国のどちらを優先するかで駆け引きをし、悩んでいるなどということではなく、米国と自国民救済の板挟みという共通の苦しみを前に、どうしたらよいものかと困り果て、慰め合っている、というのが本当の姿である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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