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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

きょうから始まる国会審議は重要だが不毛に終わるに違いない
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年7月14日第487号 ■   ==============================================================  きょうから始まる国会審議は重要だが不毛に終わるに違いない  ============================================================  きょうとあしたの2日間、衆参両院で集団的自衛権行使容認についての閉会中審査が行われる。  本来ならば国民が注目すべき重要な国会審議だ  野党が安倍首相のいかさまぶりを追及するには、これまでの議論の延長のような質問を繰り返していてはだめだ。  野党が真っ先に追及すべき事は次の二点に尽きる。  一つは安倍首相がオセアニアを訪問し、豪州で日本の国民に対して行った集団的自衛権行使容認の説明と異なる説明を行った事を責め立てるべきだ。  実際のところ、これは由々しい問題である。  日本国民に対しては、限定的行使だ、憲法9条を逸脱するものではない、と説明しておきながら、豪州の首相や議員の前では、日米豪同盟によるあたらな協力関係を進める事ができるようになったと話している。  とんでもない二枚舌外交だ。  これを追及せずして何を国会で追及するというのか。  もうひとつは小野寺防衛大臣が訪米して、事実上の日米ガイドラインを決めて来た事だ。  これは安倍首相の発言以上に深刻で、許しがたい暴挙だ。  安倍首相は閣議決定だけでは集団的自衛権行使は出来ないと国民の前で公言した。  すなわち関連法案が成立しなければ出来ない、そしてその法案審議で国民に説明してご理解を得たいと言った。  同時にまた、年末に日米間で合意する新たな日米防衛協力のガイドラインの為に集団的自衛権行使が出来るようにしなければならないと言った。  ところが関連法案は来年の通常国会まで行わないという。  その一方で日米防衛ガイドラインは予定通り年内までに作るという。  これは米国との合意を先行させて憲法9条違反を行うということだ。  解釈改憲以前の問題だ。  日米合意ですべてが決まるのだ。  しかもその事実上の合意を小野寺防衛大臣の訪米時に早々と米国で行ってきた。  少なくとも各紙が一斉に書いている事はそういう事だ。  安倍首相のオセアニア訪問時の発言といい、小野寺大臣の訪米といい、これほど国民を愚弄し、国会審議を軽視した暴挙があるだろうか。  この問題を集中審議で取り上げないようであれば、もはや国会審議など無用だ。  しかし、今日から始まる国会審議は不毛なものに終わるだろう。    野党と言っても安倍首相の集団的自衛権行使容認に反対するのは社民、共産、生活の党ぐらいだ。  あまりにも少数派であり質問時間はあっと言う間に終わる。  彼らが何を言っても相手にされない。  私が不毛な国会となると予言する理由がここにある。  果たしてどのような国会審議になるのか。  そしてそれをメディアがどう報じるか。  それによってこの国の将来が決まる。  このまま日本が対米従属の戦争国家になるのか、それとも憲法9条を守る日本に踏みとどまる事ができるのか、今日からの国会審議でそれがわかる(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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