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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「吉田調書」を曖昧なままにして終わらせてはいけない
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年7月7日第469号 ■   ============================================================== 「吉田調書」を曖昧なままにして終わらせてはいけない  ============================================================  朝日がスクープ報道した「吉田調書」については、所員の多くが所長命令に違反して撤退したと朝日が報じ、これに対してフリージャーナリストの門田氏らが反論し、それ以来、メディアは何も取り上げないようになった。  忘れかけていたところへ、発売中の週刊エコノミスト7月8日号に、桜井淳(きよし)という技術評論家が注目すべき事を書いているのを見つけた。  「吉田調書から見えてきた原発事故対応の致命的欠陥」と題するその記事は、衝撃的な告発の記事dさ。  すなわち、この吉田調書を、たとえ吉田氏本人が非公開にするよう上申書を提出していたとしても、それを国民に公開しなかった政府塩調査・検証委員会(畑村洋太郎委員長)は社会的に許されるものではない、事故調査委員会としての役割を放棄し、東電の不都合な真実の隠ぺいに加担したことになる、と厳しく批判している。  その上で二つの重要な指摘をしている。  まず所員が所長命令に違反して避難したかどうかについては次のように述べている。  すなわち原子力発電所で放射能の大放出に結びつく大事故が発生した場合、事故対応に携わる者は生命の危機にさらされる。  軍隊や警察ではない電力会社の職員がどこまで自らを犠牲にできるのか。電力会社はその事を曖昧にしたまま事故が起きた。  その事を突きつめて考えない限り、避難したか、しなかったか、を議論しても始まらない、事故が起きれば同じ事の繰り返しになる、電力会社に共通した大問題である、という。  確かにその通りだ。  しかし、私がこの桜井氏の記事で驚いたのは二つ目の指摘、すなわち、吉田所長を含め、大事故になった時には東京電力だけではなく、日本の電力会社はまったく対応できない、それが吉田調書で分かったという指摘だ。  正しい対応ができてれば、メルトダウンは避けられたとまで書いている。  だから吉田調書はそれを国民に公開し、事故当時の状況と現場の対応ぶりについて今一度国民に説明する必要がある、と桜井氏は書いているのだ。  これは物凄い告発である。  だからこそ菅官房長官は慌てふためき、今でも流出した犯人特定に執念を燃やし、そして何よりも吉田調書を、特定秘密保護法を盾にとって、決して公開しようとしないのだ。  「吉田調書」を曖昧なままにして終わらせてはいけない。  これを正しく検証すれば原発再稼働などはあり得ない事になるに違いない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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