□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年6月16日第401号 ■ ============================================================== 私が評価する「永続敗戦論」の著者、白井聡 ============================================================== 自らを左翼だと名乗ってはばからない「永続敗戦論」の著者である白井聡は、私が評価する数少ない左翼の若手学者だ。 今年の2月、対談で知り会った。 その白井の秀逸な寄稿が、週刊金曜日6月6日号に掲載されていた。 「彼(安倍首相)の「戦後」の理解は混乱しているので、悲惨な結末を迎えるだろう」という書き出しではじまるその寄稿は、次の二通りのいずれかだ、と喝破する。 すなわち、アメリカから見捨てられるか、米国が中国封じ込め路線へと転換し、日本をその先兵とさせられるか、そのいずれかだと。 私が指摘して来た事と、奇しくも同じ事を言っている。 もっとも、安倍政権は、口では強気な事を繰り返しているが、いざという時に中国と戦争する覚悟はないことが、最近ではわかってきたが。 しかし、私が白井のこの寄稿で注目したところは、左翼の彼が、次のように強烈に左翼批判をしているところだ。 「我々(左翼)は、『現実を見よ、現実に戦争は存在し、その現実に我が国だけが関わらないわけにはいかない』、という論理を振りかざす連中(右翼)に、打ち克つことはできない」と。 「その意味で、『戦後レジームからの脱却』は、左派やリベラルこそが実現しなければならない理念である」と。 見事な左派、リベラル批判である。 私の平和主義の一貫した考えの根底にあるものは、平和と戦争は表裏一体でとらえなければいけないという事だ。 平和の実現の裏には、耐えられないほどの殺戮と犠牲がある。 戦争という耐えられない残酷さを実体験し、もしくは想像出来なければ、平和の大切さを真に理解できない。 戦争に反対だ、平和がいい、と綺麗事を言っている限り、右翼の連中に勝てないということだ。 強がりな戦争論を繰り返す右翼は、戦争から目をそらす、臆病者である事を私は知っている。 彼らには戦争をする勇気も、その気もはじめからない。 中東のテロリストたちの覚悟とは訳が違う。 私は、アルカイダの恐ろしさを知っている。 いまこそ、「イラク戦争の落とし前をつける」と叫んでバクダッドに向かうイスラム反米主義者たちに、私は戦慄を覚える。 彼らは単なる「テロリスト」ではない。 死をおそれない聖戦論者たちだ。 そんな連中と戦争をして勝てる者や国はない。 彼らを戦争に追い込んだ者が悪いのだ。 彼らは好き好んで戦争を行っているのはない。 公正で互恵、互譲の世界が実現されれば、もちろん平和を望んでいる。 不必要に米国が戦争を仕掛けて殺すから、絶対に許さないと言っているのだ。 そもそも、平和を好む人間を、不必要な理由からむやみに戦争を起こす者こそ、人間性の敵である。 戦争を軽々しく口にするタカ派は臆病ものだ。 だから戦争を軽々しく起こすのだ。 しかし、私がここで言いたい事は、戦争は反対だと綺麗ごとばかり言っている平和主義者たちもまた戦争から目をそらせている。 平和の実現はきれいごとだけでは永久に出来ない。 耐えきれない残酷さと犠牲と表裏一体である。 平和主義者たちはまたテロリストを嫌う。 あたかも米国がテロリストを嫌うのと同じだ。 ここでも米国と平和主義者が奇妙に一致する(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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