□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年5月10日第359-2号 ■ ============================================================== 金縛り状態の政治とメディア ============================================================== 入院を余儀なくされて10日が経った。 幸いにも脳出血や眼底出血はなく、あらゆる検査の結果、肉体的にはいまのまったく問題ないことが確認された。 しかし左目の眼球の内皮が何らかの原因で炎症を起こし、その的確な治療方法が特定されないまま、神経の支障が続くため、当分不自由が続きそうだ。 入院の長期化は避けられそうもない。 しかしその分だけ、耳から入ってくるニュースは鋭敏にとらえるようになり、日々の新聞や雑誌の記事はより丁寧に読むようになり、従って、以前は気がつかなかった事がはっきり見えるようになってきた。 大きな収穫だ。 その思いをここに書いて本日の配信としたい。 いつもと違って少し長くなるがご容赦願いたい。 なおこれからの配信は、ひとつひとつはつとめて短くし、そのかわり核心をするどく射抜くもの、可能な限り数多く書くことにしたいと思うので、この点もあわせご了解願いたい。 なお、書ける時にできるだけ予約配信して書かさず配信できるようにつとめたいので記事の内容がずれる時はそう思って読んでいただきたい。 それは、それで、私の判断の適否が試されることになるので、いいことだと思っている。 私は、いま日本は歴史的に深刻な状況にさしかかっているような気がする。 間違いなくこの国は崩壊の方向に進んでいる。 やがて大変なことになるだろう。 しかし、そのことを多くの国民は気づかないだろう。 そして、大変な事になっても、表面的には日本は変わらないだろう。 それはこの国の格差社会がこれからますます広がるからだ。 この国の支配者(勝ち組)たちが一般国民という弱者を踏みつけて生き延びようとするからだ。 私は確信するに至った。 この国の支配者たちは本気で弱者を犠牲にして自分たちだけ生き残ろうとしていると。 そしてその支配者にすがって生き延びようとする者たちが、我を競って増えつつあるような気がする。 まるで芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の世界だ。 そのごまかしの引き受け手が、権力と二人三脚のこの国の大手メディアとそこに群がる連中だ。 彼らの手による御用記事だ。 ここでいうメディアとは、安倍首相と会食を重ねる幹部たちだけではない。 エリート気取りの青臭い記者や解説者たちもだ。 たとえば集団的自衛権行使容認問題を見よ。 みているがいい。 この問題はこれから毎日のように報道され議論される。 しかし答えは出ている。 解釈改憲の決定は先送りされ、わけのわからない複雑な安保法制懇の提言を巡ってグレーで不毛な議論が延々と繰り返される。 その一方でおびただしい数の自衛隊法の改正作業が国民の知らないところで始まる。 事実上の改憲だ。 護憲派の識者や国民はそういって騒ぎ、左派メディアはそれをかき立てる。 しかししょせんは無意味だ。 なぜか。 それはいくら反対派が騒ごうと安倍首相は集団的自衛権の行使容認に踏み切るからだ。 それでは安倍首相が集団的自衛権行使に踏み切ればそれで護憲派は敗北するのか。 日本は大変なことになるのか。 決してそうではない。 いくら集団的自衛権行使容認の政府決定が行われても日本はこれまでと何も変わらない。 それを使うこともなければ日本が危なくなるということもない。 それどころか今の国際情勢はますます集団的自衛権を行使できなくしている。 シリアにしてもウクライナにしても、そしてついにアジアにおいてさえ中国とベトナムやフィリピンが戦争を始めるようになってきた。 これは実は大変な危機なのだ。 そのような時に集団的自衛権を使えるようにするとう。 むしろ逆だ。 世界はどうしたら戦争を回避しようかと必死な時に、それを行いやすくしようとする。 それは戦後、戦争をしたことのない日本が頭の中でひねり出した妄想の世界なのだ。 戦争の悲惨さを知り、自らの国民や軍隊を犠牲にしてきた国ほど自制的になっている。 そのくせ本当に自衛隊が血を流さなければならなくなれば、自衛隊も政治家も官僚も真っ先に逃げ出す。 要するに、今の日本の集団的自衛権行使容認問題は日本だけのこよなく国内政治的なゲームなのだ。 やることのない、いや、やるべき政策が実施できない政治家や官僚たちが、その存在感を示すためのパフォーマンスでしかないのだ。 それをメディアが重大事のように騒ぎ立っているのだ。 そうする事によってまた、メディアも出演者も、出番をつくり、儲け、高給を食っているのだ。 アベノミックスもそうだ。 もはや打つ手がなく、これからますます行き詰まるのは明らかなのに、誰もそうは書かない。 間違いなく危機が訪れる。 しかし、その危機を国民の負担でごまかし、国民の目に見えない形で切り抜けることは指摘した通りだ。 メディアがそれに荷担する。 外交に至ってはひどいものだ。 何ひとつ進んでいない。 それどころかすべて裏目にでている。 いや、裏目に出たといえば結果的にそうなった、運が悪かったということになるが、そうではない。 無策の結果、出るべき裏目に出たのだ。 それでいて現状打開の糸口を見いだす政策は皆無だ。 中国や韓国との関係は改善できるのか。 拉致被害者は取り戻せるのか。 尖閣や北方領土問題は解決できるのか。 TPP合意はできるのか。できたとして日本の国益は守れるのか。 日米関係は信頼を取り戻せるのか。取り戻す日米信頼関係とは何か。 沖縄問題はどう解決するのか。 なにひとつ答えはない。 答えのめどすらない。 政治が何もやっていないからメディアにろくな記事がない。 政局の記事ばかりだ。 政策が行き詰まっていることは書かずに、その落としどころばかりかいてお茶を濁している。 政策が行き詰まっているから政府は本当の事を言わない。 政府が本当の事を言わず、メディアがそれを追究しようとしないから嘘の記事ばかりになる。 これでは国民は何もわからない。 ただでさえ国民は日々の仕事におわれて情報不足だ。 メディアを追うのが精一杯だ。 そしてメディアをフォローすらしない、できない、大多数の善良な国民を前に、自分だけは知ったつもりでいる、したり顔の国民がいる。 一般国民といえば、スポーツ、芸能、ゴシップ、犯罪事件などの日替わりニュースの洪水に埋もれ、メディアもあたかもそれらを政治の一大事件と同列に扱い、流す。 これでは権力者にだまされるはずだ。 権力者たちはほくそ笑んでいるだろう。 おそらく私はいま日本で一番のひま人に違いない。 ひまな上に、政治家や官僚たちの考えていることが手のとるようにわかる。 私とならんで日本でもっともひま人は、税金をつかって四六時中、国民をごまかす政策を考え出そうとしている政治家と官僚たちだ。 かつての同僚たちと知っている政治家たちだ。 ひま人の考えだす反国民的な政策と嘘を、かつてのひとりのひま人が見抜く。 その事に私はしばらく専念して発信し続けて行こうと思う。(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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