□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年4月18日第322号 ■ ========================================================= 今頃になって岸田外相訪露延期を発表する安倍外交の大失態 ======================================================== 外務省はきのう4月17日に岸田外相の訪露延期を発表した。 その言い訳があまりにも間抜けな大ウソだ。 日程上の都合で日露双方が合意して延期したという。 しかし実態は悪化の一途をたどるウクライナ情勢をめぐり、ロシアのプーチンと米国のオバマの対立が激化する中で、G7の結束を重視せざるを得ない日本としてやむなく延期に追い込まれたのだ。 外交に素人の国民でさえ誰もがそうわかる。 報道の中には、米国が難色を伝えてきた(4月18日朝日)とか、オバマ来日直後に岸田外相が訪露すれば日米関係が損なわれるからだ(4月18日読売)というものもある。 それが本当の理由だろう。 お粗末なのは、それでもウクライナ情勢の改善を期待して岸田外相の訪露はまだあり得るとしているところだ。 安倍首相はプーチン大統領の今秋の訪日にまだこだわっており、そのための岸田外相の訪露を考えているという(4月18日日経)。 そういえば菅官房長官も3月29日のテレビ東京の番組でプーチン大統領の訪日実現を目指す考えを述べていた(3月30日毎日) おどろくべき外交音痴ぶりだ。 内戦に向かう危険性すらあるウクライナ情勢がにわかに改善するとでも思っているのだろうか。 そんな中で佐藤優がきょう4月18日の東京新聞「本音のコラム」で例によって無責任な論評を書いている。 「積極的平和主義外交」と称するそのコラムで佐藤は次のように書いている。 そう時を置かずにどこかで岸田外相がラブロフ露外相と会談する機会を持ちロシアと対話すべきだと。 米国やEUに出来ない独自の積極的平和主義外交を日本が展開する余地があると。 それができるならそうした方がもちろんいいに決まっている。 そしてそれができる唯一の日本とは。憲法9条を掲げる日本でしかない。 ウクライナ情勢の混迷は、紛争を武力や武力の威嚇で解決しようとする米露中などの軍事覇権主義大国のせめぎ合いの結果もたらされたものだ。 軍事大国がその軍事覇権主義を背景にそれぞれの思惑で動いている限り本当の平和的解決は困難だ。 ウクライナ情勢の解決に日本が貢献できるとすれば、それは平和憲法9条を掲げる日本しかない。 その平和憲法9条を捨てる事を政治信条としている安倍首相が、米国やEUの出来ない外交を展開できるはずがない。 それを知りながら安倍首相に積極的平和主義外交を求める佐藤優は「くわせ者」である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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