□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年4月16日第317号 ■ ========================================================= 「躊躇なく追加金融緩和を行う」と進言した日銀総裁のウソ ======================================================== 黒田日銀総裁が昨日4月15日首相官邸を訪れて先週末に開かれたG20財務省・中銀総裁会議や現下の金融・経済情勢について説明したという。 その中で、2%の物価上昇目標達成に支障をきたすような事があれば「ちゅうちょなく」追加金融緩和に踏み切る意向を黒田総裁が伝えたと言う。 これに対し安倍首相からは特に要請や発言はなく、「ご理解いただけたと思う」と黒田日銀総裁は述べたという(4月16日毎日ほか) これは本当だろうか。 麻生財務大臣はG20に出席していた。 G20の報告は麻生大臣や財務官僚からとっくに聞いていなければおかしい。 黒田総裁は4月8日の記者会見で「現状では追加記入緩和は必要ない」と発言していたはずだ。 わずか一週間でその方針を変えたとでもいうのか。 そう思っていたらきのう4月16日の日刊ゲンダイが書いていた。 日銀は4月30日に金融政策決定会合を開く。安倍首相と黒田日銀総裁の怪談があるとすればその前だ。安倍首相の狙いははっきりしている。追加金融緩和を否定している黒田総裁に圧力をかけるのだ。消費税増税のダメージを恐れる安倍首相は気が気でない。株価の下支えには日銀による緩和継続メッセージが必要(大手証券)だ・・・ そう書いた上で日刊ゲンダイは「安倍首相と黒田総裁の蜜月終止符」という見出しでこう書いている。 会談の内容は4月30日の日銀政策決定会合で明らかになる。もしそこで追加緩和を決めれば黒田総裁の面子は丸つぶれ。逆に首相の要求を突っぱねて追加緩和が見送られれば官邸と日銀の対立が表面化する。安倍首相は黒田総裁の首根っこを抑えつけても追加緩和をやらせたいが、焦れば焦るほどアベノミックス相場には逆効果になる・・・ 日刊ゲンダイだけしか書かないが、こんなことはもはや専門家の間では皆が知っていることに違いない。 安倍首相が異次元緩和はできたのは消費税増税の実現を目指した財務省の仕掛けであり、消費税増税が実現した後は財務省も安倍首相の思い通りには動かないかもしれない、と。 もしそうだとしたら黒田総裁も大手メディアもウソをついているということだ。 「ちゅうちょなく」追加緩和を行うと黒田総裁が安倍首相に進言し、それを安倍首相が承認したのではない。 安倍首相が黒田総裁を呼びつけて追加緩和を命じたのだ。 黙って聞いていたのは黒田総裁のほうだったのだ。 大手メディアは見え透いた嘘を平気で書くようになったということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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