□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年4月11日第306号 ■ ========================================================= 中国の対米、対日政策を見事に解説した閻学通 ======================================================== 中国に閻学通という人物がいる。 19世紀末に義和団事件というのがあり、米国が支払った賠償金の一部で建てられた精華大学の国際関係研究院の院長だ。 いまや習近平主席の主要なブレーンとなっている。 その閻学通氏がきょう4月11日の朝日新聞のインタビューに答えている。 その内容は驚くべきものだ。 中国の対米関係を次のように語っている。 彼はまず中国の影響力はまだ経済分野にとどまっているとして、今後中国は政治的、軍事的に大きな影響を有する国になると示唆している。 そしてなぜ中国が経済的に大きな影響力を持つようになったかについて、その説明がふるっている。 それはズバリ中国の購買力の大きさゆえであると言う。 そしてなぜ日本の円が人民元と違って国際通貨になり得なかったかの理由として、日本の黒字をあげ、買うよりも売る方が大きければ世界に広がらないと喝破する。 私が驚いたのは米中関係における中国の考え方だ。 すなわち米中は文化や経済で衝突は避けられず、間違いなく衝突は今後増えていくと言い切っている。 そしてその衝突を武力衝突に決してさせない、これこそが新型大国関係だと解説している。 言い換えれば米中の新型大国関係とは、文化や思想の衝突を管理はしない、どんなに凍り付いてもいい、しかし戦争だけはできない関係にする、そういう関係であるというのである。 私が驚いたのは日本と関係を語っているところだ。 閻学通氏はまず中国の2国間関係を、友好国順に次のように4つに区別する。 すなわち、ロシアなどとの「友好と協力の関係」 次にフランスやドイツなどとの「普通の関係」 そして戦争だけは決して行わないとする米国との「新型大国関係」 最後に「対抗の関係」 そして私が驚いたのが、それが今の日本との関係であると言い切っているところだ。 さすがにこのインタビューを行った朝日新聞中国総局長の古谷浩一氏も驚いている。 ここまで露骨に第三国の日本を批判し、米国に要求を出す中国を知らないと。 これが今の習近平の中国なのだ。 日本の安倍首相の相手ではない。 米国の理不尽な要求の前にうろたえ最後は全面譲歩するしかない安倍首相。 米国のヘーゲル国防長官が中国に対して日本寄りの発言をしてくれたと安心し、日米同盟はゆるぎない、と言って喜ぶ安倍首相。 それでも米国は中国との新型大国関係を日米同盟より優先する。 日本は自らの独自外交を本気で考えるべき時に来ている。 その日本の独自外交は憲法9条を掲げる平和国家の道しかない。 その日本の独自外交こそ中国が決して勝てない日本の外交である。 この事に気づき、実践できる指導者が日本に表れる日が来るのだろうか(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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