□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年4月6日第291号 ■ ========================================================= 「村山談話は閣議決定されていない」という下村大臣の誤認 ======================================================== 私は3月27日のメルマガ第262号「河野・村山談話に関する下村文科相発言の深刻さ」で書いた。 3月27日の朝日新聞の報道によれば、下村博文文科相は3月26日の衆院文科委員会で、教科書検定基準の改定に関し、日本共産党の宮本岳志氏の質問に答え、河野談話と村山談話は検定基準における「政府の統一的見解」には当たらないと述べたという。 これは一大発言だ。なぜならば、教科書基準改定では、小中高の社会科教科書では「閣議決定その他の方法で示された政府の統一的な見解」がある場合、それに基づく記述を行うよう定めたのだから、この下村発言は、河野、村山両談話は、単に閣議決定されていないだけでなく、「閣議決定その他の方法で示された政府の統一見解」にも及ばないものになる。だから河野・村山談話は、今後は教科書に記述する義務はなくなる、そう言っている事になるからだと。これは大問題になる、と。 そして実際のところ、その朝日の記事の中で下村大臣は朝日の取材に対し、「(河野、村山両談話はいずれも)閣議決定されていないという事実の説明をした」だけと話している。 その時私はうかつにも河野、村山談話が下村大臣の言うように「河野・村山談話が閣議決定されていない」という発言を真に受けた。 歴代内閣が維持し、踏襲してきた談話が閣議されていないなどということはあり得るのかと思いつつやり過ごしてきた。 そしてきょう4月5日の産経新聞を見て仰天した。 なんと富岡勉文部科学政務官がきのう4月4日の衆院文科委員会で陳謝したという。 村山談話は閣議決定されていないとした下村文科大臣の答弁は、実際は閣議決定されていたとして訂正したいと説明したというのだ。そして下村大臣は4月9日の委員会であらためて答弁を訂正するという。 驚いた。 こんな重要な誤りを、誰も気づかず、問題視することなく、放置されてきたのだ。 今頃になって国会で文科省の政務官が訂正し、それが記事になっている。 しかも下村大臣の訂正答弁は4月9日に行われるという緊張感の無さだ。 これは慰安婦問題で日韓関係がここまで緊張している中で、辞職ものの下村大臣の大失言ではないのか。 ところで、村山談話は閣議決定されていたとして、それでは河野談話はどうだったのだろうか。 富岡政務官は河野談話に言及していないから、おそらく河野談話は閣議決定されていなのだろう。 ならばこの機会に安倍首相はいっそのこと、下村大臣の大失言を謝罪して、誠意を示す意味からも河野談話を閣議決定すべきではないか。 それは日韓関係の改善に役立つから一石二鳥となるに違いない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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