□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年4月3日第283号 ■ ========================================================= 防衛装備移転三原則」という名のもう一つ憲法9条否定 ======================================================== 解釈改憲による自衛権行使容認は明確な憲法9条違反である。 だからこそ、野党のみならず自民党内部からも反対意見が出て安倍政権もそれらの声に配慮せざるを得ないのだ。 しかし武器輸出三原則に代わる「防衛装備移転三原則」なるものが4月1日の閣議であっさり承認された。 「武器輸出」という言葉の代わりに「防衛装備移転」という言葉でごまかすところがいかにも官僚の入れ知恵らしい姑息さだ。 さすがに護憲を唱える朝日は4月3日の社説で「平和主義が崩れていく」と警鐘を鳴らしている。 実際のところこの方針転換は歴代の自民党政権がこれまで曲がりなりにも堅持してきた武器輸出禁止三原則を否定する一大方針転換だ。 アベノミックスの成功の為のなりふり構わない日本企業のテコ入れだ。 アベノミックス成功の為に憲法9条を否定するという無茶な政策だ。 それにもかかわらず集団的自衛権行使容認のように大騒ぎすることなくあっさり閣議決定された。 ここに今度の防衛装備移転三原則の閣議決定の深刻さがある。 しかし実はもっと深刻な事がある。 それは4月1日の閣議決定を待つことなく政策が先行していたという事実だ。 3月30日の日経新聞が書いていた。 三菱重工業は米ロッキード・マーチン社製の戦闘機F35の後部胴体の生産について防衛省などと最終調整に入ったと報じた。 おそらく三菱重工業は米ロッキード・マーチン社との話し合いもとっくに進めて来たに違いない。 米ロッキード・マーチン社との話し合いは、もはや覆すことは出来ない。そんな事をすれば賠償を要求されるからだ。 これを要するに4月1日の閣議決定は後づけの形式的な決定に過ぎない。 安倍政権の危険なところは閣議決定がすべて形式的であるということだ。 政策決定は安倍首相の周辺でどんどん決められていく。 閣議決定などなくてもいいのだ。 とんでもない政権が放任されているのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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