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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

ウクライナ問題ぐらいはせめて岸田外相にさせたらどうか
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2014年3月6日第215号 ■     =========================================================     ウクライナ問題ぐらいはせめて岸田外相にさせたらどうか     =========================================================  安倍首相は5日の参院予算委員会でウクライナ情勢への日本の対応についてこう述べたという。  「(日本版NSCの)国家安全保障局を中心に関係省庁間で緊密に連携し、事態の推移を注視しつつ、我が国として適切に対応していく」と。  なぜ「国家安全保障会議」と言わずに「国家安全保障局」と言ったのか。  それは官僚たちに任せるという事である。  それをきょう3月6日の読売新聞が次のように書いている。  「ウクライナ情勢が緊迫化する中、谷内正太郎国家安全保障局長は12日―14日の日程で、ロシアを訪問することを決めた。カウンターパートのパトルシェフ安全保障会議書記らと会談し、意見交換する予定だ・・・」  ここに安倍外交の危機意識のなさを見る。  ウクライナ情勢に関する認識の甘さを見る。  3月の中旬にのこのこ官僚OBが出かけて行ってロシアの官僚と意見交換する。  こんなことが新聞記事になるのである。  いうまでもなく現下のウクライナ情勢は米‣ロにとっては、中国流に言えば「核心的利益」にかかわる問題だ。  欧州流に言えば欧州の戦後最大の平和の危機である。  だからこそオバマ大統領とプーチン大統領が直接にやり取りをしている。  ケリー国務長官が飛び回り、ロシアのラブロフ外相とやり合っている。  欧州主要国も中国もそうだ。  なぜ日本だけが官僚まかせなのか。  しかもウクライナ問題は北方領土問題とも直接に関係してくる領土保全の問題だ。  本来は安倍首相自らが活躍しなければいけないところだが、百歩譲っても、少なくとも岸田外相を使って日本の影響力を発揮しなければいけない。  何よりも国家安全保障会議を開いて、安倍首相の指導力の下で菅官房長官、岸田外相、小野寺防衛相らに議論させて日本の対応策を決め、それを国民に示すべきだ。  それこそが安倍首相が国家安全保障会議を作った目的ではなかったのか。  私が言っていることは、安倍政権を支持する者も、非難する者も、誰もが思うことだ。  それにもかかわらず、安倍首相は国会で平然と関係省庁間で連携して対応しているという。  それを聞き流す国会も、「日本 G7と協調」としか書かない読売新聞も、まじめにウクライナ情勢を考えていないということだ。  ウクライナ情勢は日本には直接関係ないと思っているということだ。  日本外交がどんどんと存在感をなくして行くのも無理はない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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