□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月23日第183号 ■ ========================================================= いまこそ河野洋平は立ち上がるべきではないのか ========================================================= 河野談話がここまで貶められているというのに河野洋平は何をしているというのか。 そう思っていたらきょう2月23日の東京新聞がこちら特報部で河野洋平のインタビュー記事を掲載した。 しかし、それを読んで深い失望感を抱かずにはいられなかった。 そこで河野氏が語っている事は、安倍首相の解釈改憲批判である。 そして、ここまで自民党政権の横暴を許すことになった小選挙区制批判だ。 それに賛成した自らの反省の弁だ。 解釈改憲批判も、小選挙区制導入批判もいいだろう。 しかし、そんなことは誰でもできることだ。 いま政治家・河野洋平がなすべきことは河野談話の正しさを堂々と語ることだ。 安倍首相の強硬な改憲志向や集団的自衛権行使の容認の動きは、すべてその間違った歴史認識から来ている。 間違った歴史認識の行き着く先は平和の破壊だ。 そして安倍首相の間違った歴史認識の最も危ういものが、慰安婦の強制連行はなかったとして河野談話を否定する動きである。 しかも安倍首相はその間違った歴史認識のゆえに、いま最大のピンチに立たされている。 もし安倍首相が河野談話を否定する動きを見せたら安倍政権は終わる。 安倍政権は終わるのは自業自得だが、安倍政権のおかげで日本までもが世界から孤立させられようとしている。 それをさせてはいけない。 河野談話を維持することは、それほど重要な内政・外交上の喫緊の課題なのだ。 「河野談話の発表は正しかった」と断言する事が今ほど重要な時はない。 それを自信を持って断言できる政治家はいまでは河野洋平しかいない。 脱原発で小泉元総理は安倍自民党政権に反旗を翻した。 このまま安倍政権が続けば危ういと叫んで細川元首相は立ち上がった。 河野談話を引き継いで村山談話を発表した村山元首相は売国奴呼ばわりされながらも、韓国に行って「安倍政権は村山談話を否定していない」と安倍政権をけん制し、返す刀で対日批判を激化させる韓国をたしなめた。 野中広務さえも安倍首相の歴史認識に痛烈な批判している。 なぜ河野洋平はそれらに呼応して河野談話の正しさを語らないのか。 元自民党総裁の河野洋平が、細川・小泉・村山・野中らの動きに呼応することは大きな意味を持つはずだ。 わざわざ東京新聞のインタビューに応じておきながら河野談話に一言も触れない河野洋平は残念だ。 河野洋平にインタビューをしておきながら河野談話について一言も書こうとしない東京新聞もまたその腰砕けぶりを見事に露呈したと言わざるを得ない。 残念だとしか言いようがない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)